バイアグラ錠25mg・50mg・100mgの違いは？NG行為も解説【医師監修】

ED（勃起不全）治療薬として有名なバイアグラについて、日本国内では「バイアグラ錠25mg」と「バイアグラ錠50mg」の2つの規格が厚生労働省からの承認を受け、販売が認められています。

一方で、高用量規格の「バイアグラ錠100mg」は欧米で販売されていますが、日本国内では未承認のため販売されていません。
バイアグラ錠100mgは個人輸入で入手できますが、偽造品が紛れ込んでいる可能性が高いだけでなく、そもそも日本人の服用は想定されていないことを認識しておいてください。

今回は、バイアグラ錠25mg・50mg・100mgそれぞれの効果の違いを解説します。
バイアグラが処方される場合、ED治療の初期では25mgからが多いですが、50mgや100mgへと用量を増やしても劇的な効果の違いは見られないことが多いです。

こうしたバイアグラの特性を理解しておき、適切な方法でED治療に取り組めるようぜひ参考にしてください。

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バイアグラ25mg・50mg・100mgの効果の違い

以下に、バイアグラ錠25mg・50mg・100mgそれぞれの効果や副作用などの違いをまとめました。

上記に示したように、バイアグラの用量が変わっても得られる効果に大差はないにもかかわらず、副作用のリスクは高まる傾向にあります。
そのため、バイアグラの用量を医師に相談する際には、効果と副作用のリスクのバランスを考慮しながら検討するのがおすすめです。

以下では、バイアグラ25mg・50mg・100mgの効果や副作用の違いを詳しく解説します。

バイアグラ25mg・50mg・100mgの効果や副作用の違い

• 服用量が多いほど勃起時の硬さに効果が期待できる
• 効き始めるまでの時間や効果のピーク時間は変わらない
• 持続時間はやや長くなるものの劇的な違いはない
• 用量が多いほど副作用のリスクが高まる

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服用量が多いほど勃起時の硬さに効果が期待できる

基本的には、バイアグラの服用量が25mgから50mg・100mgと多くなるほど、勃起力向上効果は高くなる傾向にあります。
以下のグラフは、バイアグラ25mg・50mg・100mgを服用した後の血中薬物濃度の時間推移を示しています。

※参考：バイアグラの添付文書

服用後1時間付近に着目すると、用量増加にしたがって血中濃度も高くなっているのが見て取れます。

効果の強さ（勃起時の硬さ）

• バイアグラ錠25mg ＜ バイアグラ錠50mg ＜ バイアグラ錠100mg

※同じ用量や異なる用量でも効果には個人差があります

しかし、服用量が25mgから50mgに倍になったからといって、必ずしも効果が倍になるとは限りません。

同様に、用量が4倍も違うバイアグラ錠25mgとバイアグラ錠100mgを比較したとしても同様のこといえます。

効き始めるまでの時間や効果のピーク時間は変わらない

バイアグラの服用量を25mgから50mg・100mgに増やしても、効果が現れるまでの時間やバイアグラの血中濃度がピークに達するまでの時間にほとんど変化はないことが、上のグラフから読み取れます。

服用量を増やしても、バイアグラに含まれる有効成分は同じであるため、血中に取り込まれる速度はほとんど変わりません。
そのため、突発的な性行為のシチュエーションでむやみに多くの用量を服用しても、勃起力向上効果が早く現れるといった効果は期待できないのです。

効き始めるまでの時間やピークに達する時間をコントロールしたければ、バイアグラからレビトラジェネリックやシアリスなど別のED治療薬に変更するのを検討してみてください。

持続時間はやや長くなるものの劇的な違いはない

上のグラフからわかるように、バイアグラの服用量を25mgから50mg・100mgへと増やすことで血中に滞在するバイアグラの濃度はわずかに長く持続する傾向が読み取れます。

しかし、いずれの服用量であっても服用後6時間〜9時間も経過すれば10ng/mL前後までバイアグラの血中濃度が低下する傾向は共通しています。

そのため、持続時間を長くしたいからといってバイアグラの服用量を増やしても、期待する効果は得にくいうえに、後述する副作用のリスクが高まる一方です。

持続時間を長くしたいのであれば、バイアグラではなくシアリスに変更するとよいでしょう。
ED治療薬のシアリスは、服用してから約24時間〜36時間の持続効果が報告されています。

用量が多いほど副作用のリスクが高まる

副作用の強さや発現頻度

• バイアグラ錠25mg ＜ バイアグラ錠50mg ＜ バイアグラ錠100mg

※同じ用量や異なる用量でも副作用には個人差があります

バイアグラ50mg・100mgといった高用量の錠剤を服用すると、血中に留まるバイアグラの濃度が高まることから、副作用のリスクも高まると考えられています。

副作用には、顔のほてり、赤み、頭痛などが挙げられます。

勃起力向上効果を高めたいからといって、むやみに高用量のバイアグラを服用すると副作用が現れる恐れがあるため、適切な服用量は医師と相談してください。

バイアグラ100mgは日本国内では承認されていないため注意

欧米ではバイアグラ錠100mgが販売されていますが、日本人の体格にとっては用量が大きすぎる可能性があります。
現状、バイアグラ100mgを日本人が服用した際の安全性が確認されていないため、厚生労働省による承認が下りておらず、日本国内には流通していません。

そのため、バイアグラ錠100mgを入手するにはインターネットを通して個人輸入するしかありません。
しかし、バイアグラをはじめとしたED治療薬の個人輸入品には、偽造品が混入している可能性が高いことが知られています。

偽造品を誤って服用してしまうと、本来の勃起力向上効果が現れなかったり、場合によっては予期せぬ身体被害のリスクが生じたりする可能性があります。

厚生労働省で承認された正式なバイアグラ錠100mgが日本国内には存在しない以上、服用は控えるようにしましょう。

バイアグラ錠25mgを自己判断で2錠飲み50mgとするのはNG行為

日本国内で承認されているバイアグラの錠剤は、「バイアグラ錠25mg」と「バイアグラ錠50mg」の2種類です。
そこで、手元にバイアグラ錠25mgしかないからといって、2錠飲んで50mgとみなすことは用法・用量上想定されていないため、避けてください。

また、前述したように「バイアグラ錠100mg」は日本国内では流通していないからといって、50mg錠を2錠飲むこともNGです。

処方された用量は、医師が適切だと判断した用量であるため、自己判断で服用量を増やすことは副作用など予期せぬ事態を招く原因となります。

バイアグラを50mg分服用したい場合は、必ず医師に相談したうえで適切な指示を受けてください。

バイアグラ25mgや50mgが効かないときに見直したい5つのポイント

バイアグラはED治療薬の中でも有名であり、歴史や実績があります。
そのため、適切に服用すれば一定の効果が認められる可能性は高いでしょう。

バイアグラ25mgや50mgを服用しても効果が実感できない場合には、服用量ではなく別の原因が潜んでいるかもしれません。

以下では、バイアグラ25mgや50mgが効かないときに見直したい5つのポイントを解説します。
むやみに服用量を増やす前に、下記をチェックしてみてください。

バイアグラ25mgや50mgが効かないときに見直したい5つのポイント

1. 性行為前の服用タイミングが適切かどうか
2. 脂っこい食事などの前後に服用していないか
3. 定期的な運動を行う習慣が身についているか
4. 1日あたり7時間以上の睡眠を確保できているか
5. 泥酔状態で性行為に臨んでいないか

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①性行為前の服用タイミングが適切かどうか

バイアグラをはじめとしたED治療薬を服用する際には、性行為のタイミングから逆算して適切なタイミングで飲むことが大切です。

個人差はありますが、バイアグラを服用してから約30分〜1時間で血中濃度が高まる傾向にあります。
また、バイアグラの血中濃度がピークを迎える約1時間後を過ぎると、濃度は徐々に低下していき、勃起力向上効果も薄れていきます。

そのため、バイアグラ25mgや50mgを飲んでも効果が実感できない場合には、性行為の約30分〜1時間前にバイアグラを服用するように意識してみてください。

②脂っこい食事などの前後に服用していないか

バイアグラは、食事の影響を比較的受けやすいED治療薬であると知られています。
特に脂っこい食事とバイアグラを一緒に摂取すると、腸壁に油の膜が張られることで、バイアグラが血中に取り込まれにくくなるのです。

バイアグラ25mgや50mgを飲んでも効果が実感できない場合は、最低でも食後は約2時間以上の間隔を空けてから服用しているかチェックしてみてください。
高脂肪食の場合は約3時間以上、場合によっては消化までに約7時間〜8時間かかることもあるため、食事の影響を避けたいのであれば食後のバイアグラ服用は避けましょう。

一方で、バイアグラを服用した後に食事を取る場合は、バイアグラ服用から約30分以上空ければ問題ないとされています。

③定期的な運動を行う習慣が身についているか

定期的な運動習慣も、勃起力の改善に大きな影響を与えます。
そもそも、勃起は陰茎に十分な血液が流れ込むことによって生じる現象です。

ウォーキングや軽いジョギングといった運動を定期的に行う習慣があり、血液の循環が良好であれば、陰茎に血液が流れやすくなり、バイアグラ25mg・50mgの効果の恩恵を受けやすくなるでしょう。

また、肥満や高血圧、糖尿病といった生活習慣病は、EDのリスクを高めることが知られています。
運動習慣があれば、こうした生活習慣病などのリスクを低下させられるため、間接的に勃起力の改善につながるのです。

運動習慣をいきなり身に付けるのは難しいため、まずは軽いウォーキングを1回約30分、週に3回以上チャレンジすることから始めてみてください。

④1日あたり7時間以上の睡眠を確保できているか

バイアグラ25mg・50mgを適切に服用していても、睡眠時間が不足していて不健康な状態が慢性化していると、勃起力向上効果が得られない可能性があります。

睡眠不足が続くと、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌量が低下するといわれています。
テストステロンは性欲や気力を向上させる役割を果たすため、睡眠不足は勃起力低下につながるのです。

適切な睡眠時間には個人差がありますが、少なくとも1日あたり7時間以上の睡眠を確保できているか確認してみてください。

⑤泥酔状態で性行為に臨んでいないか

アルコール自体は、バイアグラと一緒に服用しても問題ありません。
しかし、泥酔した状態では性行為に集中できず、いくらバイアグラ錠の25mgや50mgを正しく服用しても勃起に至らない可能性があります。

勃起に至るには、リラックスした状態で優位になる副交感神経の働きが重要です。
性行為に対して緊張やプレッシャーを感じてしまうことも勃起を妨げる要因となりうるため、そういった方はほろ酔い程度のアルコールを摂取してもかまいません。

しかし、気持ちが高ぶるなどによって飲み過ぎてしまえば、性行為に支障をきたします。
気分を高めてから性行為に臨みたい方であれば、あえてアルコールを摂取しないことによって、バイアグラ25mg・50mg服用の効果を実感できるかもしれません。

バイアグラ25mgや50mgがどうしても効かないときの対処法

バイアグラ25mg・50mgを正しく服用していても、期待する効果を得られない場合はあります。
その場合は、用量が適切でないか、服用しているED治療薬の種類が合っていない可能性があります。

以下では、バイアグラ25mgや50mgがどうしても効かないときの対処法を解説します。

バイアグラ25mgや50mgがどうしても効かないときの対処法

• 25mg服用中の場合は医師に50mgへの増量を相談する
• レビトラやシアリスへの切り替えを検討する

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25mg服用中の場合は医師に50mgへの増量を相談する

現在、バイアグラ錠25mgを服用していて十分な効果を実感できていない場合は、バイアグラ錠50mgへの変更を視野に入れてみてください。

前述したように、バイアグラ錠の用量を増やすことで血中濃度が高まり、勃起時の硬さが改善する可能性があります。

ただし、服用量は自己判断で変更してはいけません。
医師が処方する用量は、効果と副作用のバランスなどが考慮されたものです。
自己判断で用量を変更した場合には、予期せぬ身体被害が生じる可能性があります。

バイアグラの用量を変更したい場合は、必ず担当の医師に相談し、許可をもらうようにしてください。

レビトラやシアリスへの切り替えを検討する

バイアグラを25mgから50mgに増量しても性行為時の勃起が不十分な場合には、レビトラやシアリスといった別のED治療薬への切り替えを検討するのも手です。

※2021年10月にバイエル薬品株式会社では、レビトラの製造・販売中止を発表しています
※レビトラジェネリックは、各メーカーから製造・販売されています

レビトラは、即効性や効果の強さがメリットですが、持続時間が約5時間〜6時間と短い点がデメリットです。

シアリスは、持続時間が長いため飲むタイミングを厳密に逆算する必要がない点がメリットですが、効き目が比較的マイルドです。

自身の希望や目的に合わせてED治療薬を選び、担当の医師に処方してもらえるかどうか相談してみてください。

まとめ～バイアグラ25mgと50mgの効果の長さに違いはほとんどない～

バイアグラ25mg・50mg・100mgは、用量が大きいほど勃起時の硬さが得られやすくなりますが、副作用のリスクも高まります。
しかし、いずれも有効成分は同じである以上、効き始めるまでの時間や持続時間はほとんど変わりません。

当クリニックでは、以下に該当する患者様にバイアグラ錠25mgを処方しています。
ご本人の健康状態や年齢などを考慮した上で、「性行為の際にその日のコンディションやシチュエーションによっては問題なく勃起できる、もしくは自慰行為の際には全く問題ない」方です。

また、「性行為の際に毎回勃起できない、もしくは自慰行為の際にも勃起できない」方にはバイアグラ錠50mgを処方することが多いです。

適切にED治療を受けるためにも、バイアグラ錠を服用する場合は必ず医師の診断に従い、処方時に服用する用量を決めるようにしましょう。