突然ですが「甘い物が大好き!」という方は、年齢を問わず、ED(勃起不全)にご注意ください。
ケーキやジュースなど甘い物の食べ過ぎは、EDの発症リスクを高める可能性があります。
今回は、甘い物の食べ過ぎにによって引き起こされるEDついて解説します。
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甘い物とは?
ここで言う甘い物とは、「糖質」を多く含む食べ物のことです。
糖質とは、人間の体に欠かせない3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)の一つ「炭水化物」から食物繊維を除いた成分です。
糖質は、体内で消化吸収され、人間が体を動かすために必要なエネルギー(カロリー)源となります。
また、糖質の中でも特に、「二糖類」という分類に属する「砂糖(ショ糖)」などの糖類の過剰摂取は、健康に様々な悪影響を与えると言われています。
甘い物を食べたくなるのはなぜ?
人は、疲れている時や集中力が続かない時、ストレスが溜まっている時などに甘い物を食べたくなります。
これは、脳の活動に必要なエネルギーである「ブドウ糖(グルコース)」が不足しているからです。
ブドウ糖は、糖質が体内で分解されてできる成分です。
血液中のブドウ糖が不足すると、血糖値が下がり過ぎて「低血糖」と呼ばれる状態になります。
低血糖状態になると疲れや集中力の低下などを感じるようになります。
つまり、疲れている時に甘い物を食べたくなるのは、低血糖状態になって、脳が「ブドウ糖」を欲しているからなのです。
また、糖質を多く摂取すると、「脳内麻薬」とも呼ばれる「β-エンドルフィン」という脳内神経伝達物質も大量に分泌されます。
糖質を摂取すると満たされたり幸せな気持ちになるのはこのためです。
糖質によって快楽を覚えた脳は、糖質を摂取するとストレスを解消できると思い込んでしまいます。
ストレスを感じたり、ストレスが溜まっている時に甘い物を食べたくなるのはこのためです。
しかし、実際にはストレスが発散されるわけではありません。
時間が経てば血糖値やβ-エンドルフィンの分泌量は低下し、またストレスを感じるようになります。
この繰り返しもまた、甘い物を食べたくなる原因になります。
甘い物の食べ過ぎはEDを招く可能性がある
甘い物の食べ過ぎはED(勃起不全)の発症リスクを高めることが示唆されています。
では、一体「甘い物(=糖質=砂糖)」をどれくらい食べると、食べ過ぎ(過剰摂取)となるのでしょうか。
世界保健機関(World Health Organization:WHO)によると、成人の場合、1日当たりの砂糖摂取量の目安は25gまでと発表しています。
これは、小さじ約6杯分に相当する量です。
また、米国心臓協会(American Heart Association)では、成人男性場合、1日当たりの砂糖摂取量の目安は37.5gまでと発表しています。
世界的な基準で判断すると、砂糖を25g~37.5g以上摂取すると過剰摂取になると言えそうです。
以下の様な甘い物は、砂糖の過剰摂取に陥りやすく、EDを招く可能性があるので注意しましょう。
EDを招く可能性のある甘い食べ物
- ケーキ
- クレープ
- ミルフィーユ
- チョコレート
- プリン
- あんぱん
- どら焼き
- アイスクリーム
- ジュース
- etc...
ケーキなど砂糖を含むお菓子やスイーツ全般には、特に注意が必要です。
甘い物がEDの発症リスクを高める原因
甘い物がEDの発症リスクを高める原因について解説します。
甘い物がEDの発症リスクを高める原因
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動脈硬化を招くから
甘い物を食べ過ぎると、血液中のブドウ糖が増えて血糖値が上がり、血液がドロドロになってしまいます。
血液がドロドロになると、血流が悪くなったり、血管が傷つき、動脈硬化を引き起こすことがあります。
動脈硬化は、EDのリスクファクター(危険因子)であることが知られています。
慢性的な血行不良によって、勃起に必要な血液を陰茎海綿体へ流れ込みにくくさせてしまうのです。
肥満や糖尿病を招くから
甘い物を食べ過ぎると、血糖値が急激に上昇します。
その血糖値を下げるため、体内では「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。
このインスリンには、血液中の糖質(ブドウ糖)を中性脂肪などに変換し、体に蓄える働きがあるため、過剰に分泌されてしまうと太りやすくなってしまうのです。
また、血糖値が高い状態が続くと、インスリンも大量に分泌しなければならなくなります。
インスリンを分泌している膵臓に負担がかかるため、次第にインスリンの分泌能力が低下していきます。
結果として、甘い物を食べ続ける生活を送っていると肥満や糖尿病を招くことがあるのです。
動脈硬化と同様に、肥満や糖尿病は、EDのリスクファクターです。
とある研究では、肥満度が上昇すればするほどEDが悪化する傾向があるということが分かっています。
また、 糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、血管障害や自律神経障害からEDが引き起こされることもあります。
糖化を招くから
甘い物を食べ過ぎると、糖化と呼ばれる現象を引き起こすことがあります。
糖化(糖化反応)とは、体内で余った糖質がたんぱく質と結びついて、「AGEs(Advanced Glycation End Products:終末糖化産物)」という老化物質を生成する反応のことです。
簡単に言えば、細胞を劣化させる現象です。
活性酸素による酸化が「体のサビ」と言われるのに対して、糖化は「体のコゲ」とも呼ばれることもあります。
糖化は、細胞を劣化させるので、血管や血液中の「ヘモグロビン」が劣化すると、動脈硬化に繋がります。
また、陰茎海綿体の細胞が劣化することで、直接EDに繋がることもあります。
痩せていて健康な人でも、糖質の過剰摂取を続けることで糖化が引き起こされるので、注意が必要です。
うつ病を招くから
甘い物を食べ過ぎると、うつ病を招くことがあります。
とある研究では、糖質を毎日約65g以上摂取した男性は、糖分の摂取量が約40g以下の男性に比べて、何らかの精神疾患を発症する可能性が約23%も高いという報告があります。
また、甘い物の食べ過ぎは、脳細胞の成長や発達に不可欠な「脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor:BDNF)」というたんぱく質を低下させてしまう可能性も指摘されています。
脳由来神経栄養因子が低下するとうつ病を引き起こすことがあると言われているのです。
うつ症の症状には、性欲が減退したり、性的興奮が起こりにくくなることがあるため、心因性EDに繋がる可能性があります。
甘い物が食べたくなった時の対処方法
甘い物の摂取量を減らすため、急に甘い物が食べたくなった時の対処方法をご紹介します。
甘い物が食べたくなった時の対処方法
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GI値やカロリーが低い物を食べる
どうしても甘い物が食べたくなった時は、GI値やカロリーが低い物を食べると良いでしょう。
GI値(Glycemic Index:グリセミック指数)とは、食後の血糖値が上昇する速度を示した数値のことです。
そのため、食品ごとにGI値は異なります。
GI値が低い食べ物は、血糖値が緩やかに上昇するので、体にあまり負担をかけずにインスリンを分泌してくれます。
例えば、バナナはGI値やカロリーが低く、食物繊維が豊富で甘みを感じる食べ物なのでおすすめです。
食べ物以外にも、糖質を含まないシュガーレスガムを噛んだりして、口の中の寂しさを紛らわすのも効果的です。
以下の様な、GI値やカロリーが低く、甘みを若干感じる食べ物がおすすめです。
GI値やカロリーの低い食べ物
- バナナ
- リンゴ
- イチゴ(ベリー類)
- サツマイモ
- かぼちゃ
- ナッツ類
- プレーンヨーグルト
- シュガーレスガム
- etc...
歯磨きをする
甘い物に限らず、歯磨きをして食欲そのものを抑えることも効果的です。
歯磨きは、食事が終わったことを脳に伝える合図になります。
甘い物を食べたいという欲求を抑えるだけでなく、無駄な間食を防ぐのにも役立ちます。
また、歯磨きで口の中がスッキリすると、すぐに食べ物で口の中を汚したくないという心理が働いてくれます。
食後に甘い物が食べたくなった時は、歯磨きをして、口の中をスッキリさせましょう。
さらに、ミント味の歯磨き粉を使うと、スーッとした爽快感によって食欲を抑えることができます。
それでも甘い物が食べたくなった時は、フルーツ味の歯磨き粉を使ってみましょう。
歯を磨くだけで甘みが感じられるので、満足感が得られるはずです。
何か別のことに集中する
甘い物を食べたくなった時は、食欲から気をそらすために何か別のことに集中することも一つの手段です。
没頭できる趣味がある方は、その趣味に集中して取り組んでみると良いでしょう。
また、家の中にいると、ついつい甘い物など間食してしまいがちになるので、外出して気を紛らわすのも効果的です。
その他、以下の様な方法があります。
食欲から気をそらす方法
- 筋トレやヨガ、ストレッチをする
- ウォーキングやランニングをする
- 本を読む
- 音楽を聴く
- DVDを見る
- 趣味に没頭する
- etc...
まとめ~どんな食べ物も食べ過ぎは良くない~
甘い物に限らず、どんな食べ物も食べ過ぎは体に良くありません。
EDだけでなく、体の健康を害する原因となります。
当たり前のことですが、栄養バランスの良い食生活を続けることが大切です。
当コラムを見て、日常的に甘い物を食べ過ぎていると感じた方がいたら、今日からしっかり対処していきましょう。
EDに絶対なりたくないという方は、食生活を見直し、糖質制限を心がけてください。
スタッフより
クリニックコラムをお読みいただきありがとうございます!
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