クリニックコラム

ファストフード(ジャンクフード)の食べ過ぎはEDの発症リスクを高める【医師監修】

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ファストフード(ジャンクフード)の食べ過ぎはEDの発症リスクを高める【医師監修】

突然ですが「ファストフード(ジャンクフード)が大好き!」という方は、年齢を問わず、EDにご注意ください。

ピザやハンバーガーなどのファストフードの食べ過ぎは、ED(勃起不全)の発症リスクを高めたり、精子の質の低下などを招く可能性があります。

今回は、ファストフードの食べ過ぎによって引き起こされるEDや男性機能の低下などについて解説します。

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ファストフードとは?

ハンバーガー

ファストフードとは、調理時間が短い食品や食事、または注文してからすぐに食べられる手軽な食品や食事のことです。

英語で「fast food(ファストフード)」と表記し、「fast=迅速な、素早い」「food=食事、食品」を意味しています。

また、「fast」がイギリス英語では「ファスト」より「ファースト」に聞こえるため、「ファーストフード」と呼ぶこともあります。
しかし、「fast」を「first=最初の、第一の」に取り違え、「first food(ファーストフード)」と呼ぶのは誤りです。

ピザやハンバーガー、フライドチキンなどが代表的なファストフードです。

ファストフードとジャンクフードの違い

ジャンクフードとは、栄養バランスの欠けた調理済みの食品や食事のことです。

英語で「junk food(ジャンクフード)」と表記し、「junk=ガラクタ、屑」を意味しています。

基本的には、「高カロリー・高塩分・高脂肪」で野菜に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素があまり含まれていない食べ物を指します。
しかし、ジャンクフードの定義は、様々な政府機関や組織によって異なります。

ファストフードとジャンクフードは同一視されがちですが、厳密には「ファストフード=ジャンクフード」という訳ではありません。
「ジャンクフード≠ファストフード」ですが、ジャンクフードは広異議的には、ファストフードの中に含まれることもあります。

当記事では、広異議的な意味合いが強いため、「ファストフード」と「ジャンクフード」を同一視して「ファストフード(ジャンクフード)」と表記しています。

ファストフードの食べ過ぎはEDを招く可能性がある

ハンバーガーを食べる男性

ファストフードの食べ過ぎは、EDの発症リスクを高めることが示唆されています。

ただし、全てのファストフードがEDの発症リスクを高めるわけではありません。
ジャンクフードに該当するような一部のファストフードが、EDの発症リスクを高めやすいと言えます。

以下の様なファストフード(ジャンクフード)は、EDを招く可能性があるので注意しましょう。

EDを招く可能性のあるファストフード(ジャンクフード)

  • ピザ
  • ケーキ
  • ドーナツ
  • ラーメン
  • 牛丼(豚丼)
  • ハンバーガー
  • ホットドッグ
  • フライドチキン
  • フライドポテト
  • 清涼飲料水全般
  • コンビニ弁当全般
  • スナック菓子全般
  • etc...
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ファストフードがEDの発症リスクを高める原因

股間を抑える男性

ファストフードに含まれる偏った栄養バランスは人体に様々な悪影響を与えます。
その結果、EDの発症リスクが高まってしまいます。

ファストフードがEDの発症リスクを高める原因について解説します。

ファストフードがEDの発症リスクを高める原因

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肥満や糖尿病を招くから

肥満

ファストフードは、低価格で高カロリーな食品が多く存在しています。
例えば、牛丼(並盛り)やハンバーガーセット(フライドポテト&炭酸飲料付き)は、1食で約700kcalもあります。

適正カロリーを大幅に超えた、高カロリーな食生活を続けると、EDの発症リスクを高める肥満や糖尿病の原因になります。

とある研究では、肥満度が上昇すればするほどEDが悪化する傾向があるということが分かっています。
また、 糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、血管障害や自律神経障害からEDが引き起こされることがあります。

肥満や糖尿病は、EDのリスクファクター(危険因子)であることが示唆されているのです。

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前立腺がんを招くから

お尻を抑える

ファストフードは、油で揚げた高脂肪(高脂質)な食品が多く存在しています。
例えば、フライドチキンやドーナツ、フライドポテトは、100g中に10g以上の脂肪を含んでいます。

脂肪を摂取しすぎると、EDの発症リスクを高める前立腺がんの原因になります。

前立腺がんの手術は、前立腺の全摘出が一般的なので、前立腺の近くにある血管や勃起神経が損傷し、重度ED(完全型ED)を引き起こす可能性があります。

重度EDを発症してしまうと、性行為(膣への挿入)に必要な勃起ができなかったり、勃起を維持できなくなってしまいます。
最悪の場合、性行為が全くできなくなります。

動脈硬化を招くから

血流のイメージ

ファストフードは、1日の食塩摂取目安量(成人男性は、1日当たり8g未満)を大幅に超えた、高塩分な食品が多く存在しています。
例えば、ラーメンやフライドポテトは、100g中に2g以上の塩分を含んでいます。

塩分を摂取しすぎると、EDの発症リスクを高める動脈硬化の原因になります。

塩分を過剰に摂取すると、体内の塩分(ナトリウム)と水分量を調整するために血液量が増え、血圧が高くなり、高血圧になります。
高血圧の状態が続くと、血管に負担がかかり続け、次第に厚く硬くなり、動脈硬化を引き起こしてしまうのです。

動脈硬化は、血行不良を招き、勃起に必要な血液を陰茎海綿体へ流れ込みにくくさせてしまいます。

自律神経やホルモンバランスの乱れを招くから

ストレスを抱えた男性

ファストフードには、様々な食品添加物(保存料・甘味料、着色料・香料など)が含まれています。
強烈に美味しいと感じたり、何度でも食べたいと思わせる様な中毒性がありますが、これは食品添加物によるものなのです。

食品添加物を摂取しすぎると、脳の自律神経や血中のホルモンバランスなどに悪影響を与える原因になると言われています。
自律神経が乱れると精神的に不安定になりやすく、性欲が減退したり、心因性EDを引き起こしやすくなります。

また、ファストフードによく含まれている「ポリリン酸」や「フィチン酸」と呼ばれる人工的な食品添加物は、「亜鉛」などのミネラルの吸収を妨げてしまいます。
ご存知の通り、亜鉛は男性機能の維持に関わる「テストステロン」の増加に欠かせない成分です。

男性ホルモンの一種であるテストステロンが減少してしまうと、EDになりやすくなります。

映画「スーパーサイズ・ミー」でも悪影響を指摘

映画と医療

2004年にアメリカで公開された「スーパーサイズ・ミー」という映画をご存知でしょうか。
「30日間、毎日朝昼晩の3食をマクドナルドで食べる」という試みを俳優で監督のモーガン・スパーロック(当時33歳)自らが実験したドキュメンタリー映画です。

なお、実験中は水を含め、全ての食事はマクドナルドで提供される食べ物を摂取し、健康のための運動は行わず、店員さんに「スーパーサイズにしますか?」と聞かれたら、必ず同意して完食しなければならないというルールがありました。
彼に起こる、様々な身体的・精神的な変化を映像で記録しています。

食生活による人体実験の様なこの映画は世間に大きな衝撃を与えました。

ちなみに、スーパーサイズとは、アメリカで当時販売されていたハンバーガーセットのことです。

スーパーサイズ(セット内容)

  • ドリンク=約1L(日本のLサイズの約2倍)
  • フライドポテト=約200g(日本のMサイズの約2倍)
  • ハンバーガー=約100g(全世界共通サイズ)

しかし、映画の反響が大きかったこともあり、現在は販売されていないようです。

ファストフードの代名詞とも言えるハンバーガーやフライドポテトを食べ続けた結果、映画内では以下の様な症状が現れています。

体に現れた症状

  • 頭痛
  • 躁うつ
  • 脂肪肝
  • 性欲減退
  • ED(勃起不全)
  • 体重の増加(+11kg)
  • 体脂肪率の増加(11%→18%)
  • etc...

ファストフードの食べ過ぎは、健康を破壊するだけでなく、性欲減退ED(勃起不全)を引き起こすことが分かったのです。
映画内では、監督の彼女が「性行為の時は勃起するけど、以前とは明らかに違う・・・」と嘆いているシーンもあります。

完全なEDではないにしても、EDになりかけていたことが分かります。

この映画は、監督自身の体調を犠牲にした甲斐もあり、第77回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされています。
気になる方は、ぜひ一度ご覧ください。

精子の質にも悪影響を与える

精子

ファストフードは、精子の質を低下させる可能性があります。
精子の質とは、一度の射精に含まれる精子の数や精子の形、精子の運動効率などを指します。

とある研究では、野菜や魚を中心とした健康的な食生活を送る男性に比べて、ピザやハンバーガーなどのファストフードばかりの食生活を送る男性は精子の数が約2,500万個以上も少なくなるということが分かっています。

ファストフードに含まれる人工的な食品添加物が精子の質に悪影響を与えると考えられています。

質の良い精子を作るためには、栄養バランスが大切なのです。

まとめ~EDが怖いならファストフードは控えよう~

ファストフードは、基本的には健康に良いものではありません。
しかし、ファストフードを「絶対に食べてはいけない」ということではありません。

一般的なファストフードは「高カロリー・高塩分・高脂肪」で、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足しやすい食事です。
不足しやすい栄養素を補うようにメニューを組み合わせて摂取する必要があります。

また、ファストフードを食べる量や回数を減らすなどの工夫も必要です。

とは言え、ファストフードを食べ過ぎるとEDを発症するリスクが高まるという事実に変わりはありません。
EDを発症してしまうと、完治するまでに時間がかかったり、最悪完治に至れず、一生EDと付き合っていかなければいけなくなります。

EDに絶対なりたくないという方は、ファストフードはなるべく控え、栄養バランスの良い食事を心がけたほうが良いでしょう。

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