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アルコールはED(勃起不全)を悪化させる?対策や注意点も徹底解説【医師監修】

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アルコールはED(勃起不全)を悪化させる?対策や注意点も徹底解説【医師監修】

「お酒を飲みすぎるとEDになる」という話を聞いたことがあるかもしれません。
アルコールとEDには密接な関係があるため、正しいお酒の飲み方が重要です。

今回は、アルコールと勃起の関係について、研究データを交えて解説します。
アルコールでEDになった場合の対策や注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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適度なアルコール摂取は勃起を促す

お酒を飲む

適度なアルコールは勃起力を高め、ED(勃起不全)の改善を促します。

そもそも、勃起は精神的にリラックスして副交感神経が優位となった際に起こる現象です。
性行為時の緊張やプレッシャーが原因で勃起力が低下する「心因性ED」の場合は、気持ちを落ち着かせることがED改善の対策といえます。

性行為前に少量のアルコールを摂取してリラックス効果が得られれば、EDの改善が期待できるでしょう。

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お酒の飲みすぎが勃起力を低下させる理由

少量のアルコールならEDの改善効果が期待できますが、お酒の飲みすぎはかえって勃起力を低下させます。

ついついお酒を飲みすぎてしまう方は、お酒の飲みすぎがEDを加速させてしまう理由を知っておくとEDの改善に役立つでしょう。
以下では、お酒の飲みすぎが勃起力を低下させる理由について解説します。

お酒の飲みすぎで勃起力を低下させる3つの理由

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運動機能が低下する

アルコールの過剰摂取は、身体の運動機能を低下させます。
以下は、血中アルコール濃度と酔いの効果の関係を示したグラフです。

血中アルコールのグラフ

※「アルコールの作用 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」から引用しています

少量のアルコールならリラックス効果が得られ、勃起力の改善に対して良い効果をもたらすでしょう。

しかし、血中アルコール濃度が150mg/dlを超えたあたりから運動機能の障害が発生します。
例えば、ろれつが回らなくなったり、まっすぐ歩けなくなるなど、思い通りに身体を動かせなくなったりします。

また、アルコールの過剰摂取により勃起中枢の働きが阻害されれば、勃起を促す指令が脳から陰茎まで伝わりません。
このような状態では、性行為どころではありません。

飲酒後の性行為で一度失敗を経験してしまえば、「次もうまくいかなかったらどうしよう…」と自信をなくしてしまって心因性EDに至る可能性もあります。

陰茎への血流を減少させる

アルコールを過剰摂取すると、陰茎への血流が減少して勃起力が低下します。

前述のように、勃起は陰茎に血液が流れ込むことで膨張する現象です。
適度なアルコール摂取は、血管の拡張によって血流を活性化させることから、EDの改善に有効とされます。

しかし、アルコールの過剰摂取は身体そのものにダメージを与え、血流の悪化を誘発し、結果としてEDの原因となる可能性があります。
お酒を飲めば血流が良くなるというのは短期的な効果でしかないため、お酒の飲みすぎには注意が必要です。

集中力が低下する

意識がもうろうとするまでお酒を飲むと、性行為への集中力が低下して十分な勃起力も得られません。

アルコールの過剰摂取により以下のような症状が見られた状態で性行為に臨んだ場合、EDに繋がるリスクが高まります。

お酒の飲みすぎで勃起力を低下させる3つの理由

  • 眠気
  • 頭痛
  • 動悸
  • 吐き気
  • 胃もたれ

リラックス効果を期待してアルコールを摂取したものの、上記のような症状を引き起こしてしまっては本末転倒です。
飲みすぎはかえって勃起力を低下させ、性行為の失敗に繋がる可能性があると覚えておきましょう。

アルコールにより勃起力低下を引き起こす例

アルコールは勃起力を低下させ、EDを悪化させる可能性があります。
以下では、アルコールにより勃起力低下を引き起こす具体的な例を紹介します。

アルコールが原因で勃起力が低下する例

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「お酒の飲みすぎがEDの原因かも…」という方は、以下の内容に当てはまっていないかチェックしてみてください。

生活習慣病

肥満

アルコールにより生活習慣病になると、身体機能に異常をきたしEDに繋がる可能性があります。
例えば、過度な飲酒は肥満を引き起こし、高血圧症・脂質異常症・糖尿病を通じて動脈硬化に至ります。

動脈硬化はEDの大きな原因の一つです。
勃起には陰茎への血流が必要不可欠です。

しかし、動脈硬化になると血管が拡張しにくくなるため、陰茎への血流が悪化してEDに繋がります。
すでに肥満や高血圧症といった生活習慣病の症状が見られる場合は、アルコールが原因で勃起力が低下している可能性があるため注意が必要です。

なお、身体機能の障害によって引き起こされる勃起障害のことを「器質性ED」と呼びます。

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男性ホルモンの減少

弱々しい

アルコールの過剰摂取は、男性ホルモンを減少させることも知られています。

男性ホルモンは勃起力や性欲の向上、精子の製造といった男性機能をつかさどる重要な物質です。
日常的なお酒の飲みすぎにより男性ホルモンが減少してしまうと、性行為の際に必要な勃起力が得られずEDに至る可能性があります。

また、そもそも性欲がわかず、性行為に対して積極的になれないケースもあるでしょう。
こういった症状が見られる場合は、アルコールの過剰摂取による男性ホルモンの減少を疑ってみてください。

なお、男性ホルモンの減少により引き起こされる勃起障害は、器質性EDに該当します。

アルコール依存

アルコール依存症のイメージ

アルコール依存は様々な健康障害を引き起こし、EDを誘発する可能性があります。
お酒の飲みすぎが習慣になっている場合、アルコール依存に陥っているかもしれません。

アルコール依存症患者の典型的なライフスタイルとしては、以下が挙げられます。

アルコール依存症患者の典型的なライフスタイル

  • 毎晩のようにお酒を飲んでいる
  • 休日は午前中や昼すぎからお酒を飲む
  • 子どもや配偶者がいない間を狙って飲酒する

上記のように、飲酒欲求が著しく強い場合はアルコール依存が疑われます。
アルコール依存の代表的な症状は以下の通りです。

アルコール依存症の主な症状

  • 手の震え
  • 寝汗をかく
  • 不安に襲われる
  • イライラする
  • 睡眠障害に陥る

アルコール依存は生活習慣病や男性ホルモンの減少を加速させ、EDをさらに悪化させます。
上記に当てはまる場合、減酒・禁酒に向けた取り組みが必須といえます。

アルコールとEDの関係を示した研究データ

ここまで、アルコールの過剰摂取がEDを引き起こすリスクについて解説しました。

以下では、アルコールとEDの関係を示唆する研究データを紹介します。
知っておくだけでお酒の飲みすぎを抑制するにも繋がるため、飲酒がなかなかやめられない方はチェックしておいてください。

アルコール依存症患者の72%がEDなどの性機能障害を発症

海外の研究によると、アルコール依存症患者のうち72%が1つ以上の性機能障害を発症しているとわかりました。
性機能障害としてはED(勃起不全)、性欲の低下、早漏などが挙げられます。

また、摂取したアルコール量の増加に応じて性機能障害の発症リスクも増大する傾向が見られたとのことです。

発症リスクのグラフ

※「Prevalence of sexual dysfunction in male subjects with alcohol dependence」から引用しています

上記の研究から、お酒の飲みすぎはEDを悪化させる可能性があるといえます。
アルコール依存症患者の中には、射精時の喜びを感じられなかったという方もいたようです。
性行為の満足感を低下させないためにも、減酒や禁酒を心掛けるのが重要といえます。

3ヶ月間のアルコール中止によりED患者の88.5%がED改善

海外で行われた研究によると、3ヶ月間お酒を控えるだけで、ED患者104人のうち92人(88.5%)がEDの改善に至ったというデータ結果があります。

アルコールを飲む習慣がある方にとって、禁酒はEDの改善に対して有効であることを示唆する結果といえます。
以上から、少しずつでもお酒の量を減らせるように意識すると良いでしょう。

アルコールでEDになった場合の対策

今まで紹介した研究データからもわかるように、アルコールがEDに与える影響は非常に大きいといえます。
以下では、アルコールでEDになった場合の対策について紹介します。
飲酒が習慣化している方はぜひ参考にしてください。

アルコールが原因でEDになった場合の対策法

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アルコール摂取を適量に抑える

ビールを持つ男性

アルコールは過剰摂取することでEDに繋がるため、お酒は適量に抑えましょう
目安としては、1日あたりアルコール20gまでの摂取を心がけてみてください。
アルコール20gにあたる各お酒の一覧は、以下の通りです。

お酒の種類 アルコール度数
ビール 500ml(中びん1本) 5%
日本酒 180ml(1合) 15%
ウイスキー 60ml(ダブル1杯) 43%
ワイン 約180ml(1/4本) 14%
焼酎 約110ml(0.6合) 25%

アルコール分解機能には個人差があるため、上記はあくまでも参考程度です。
特にお酒で顔が赤くなりやすい方などは、飲みすぎないように注意しましょう。

ED治療薬を服用する

バイアグラ錠

アルコールが原因でEDが生じている場合、ED治療薬の服用が有効です。

ED治療薬は血管の拡張を促すため、勃起力の向上が期待できます。
性行為の前に服用しておけば、安心して成功に臨めるでしょう。

ED治療薬は錠剤なので、非常に手軽なEDの改善方法といえます。
当クリニックでも患者様ごとに適切なED治療薬を処方していますので、お気軽にご相談ください。

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アルコールの摂取量を減らすコツ

診察

アルコールの摂取量を減らすことでEDを改善できると理解できていても、実際に禁酒を成功させる方は少ないのが事実です。
そこで、以下では、アルコールの摂取量を減らすコツについて解説します。
挫折したくない方はぜひ参考にしてください。

お酒を減らすコツ

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数値目標を立てて達成度を可視化する

アルコールの摂取量を減らしたいなら、数値目標を立てて達成度を可視化しましょう。
少なくとも以下の4つは明確にしてゴールを定めてみてください。

  • なぜ(Why)
  • なにを(What)
  • いつまで(When)
  • どのくらい(How much)

例えば、以下のようにゴールを可視化するのがおすすめです。

目標の例

  • なぜ(Why):EDを改善して勃起力を向上させ、満足のいく性行為ができるようになるため
  • なにを(What):アルコールの摂取量を減らす
  • いつまで(When):今月
  • どのくらい(How much):毎日飲んでいるビール缶4本を2本に減らす

このように、具体的な数値目標を立てることで、ゴールを達成しやすくなります。
達成度は毎日チェックし、成功した日はカレンダーに「◯」をつければ達成感も実感できるでしょう。

また、なぜ(Why)も設定しておけば、減酒がつらいと感じた際にも本来の目標を再確認できるため、挫折のリスクが減らせて成功率アップに繋がります。

専門家のカウンセリングを受ける

自分一人で減酒・禁酒がうまくいかない場合は、専門家のカウンセリングを受けるのも有効です。
アルコール自体に中毒性があるため、「お酒が飲みたい」という欲求は非常に強いといえます。
自分の力でどうにもならないときには、専門家の力を借りることも大事です。

カウンセリングでは、精神科医や臨床心理士のアドバイスを基に治療の進め方が提案されます。
長期的な減酒・禁酒によりアルコール依存から脱却できる有効な手法なので、ぜひ積極的に取り入れてみてください。

なお、アルコール依存に関する相談は、専門の医療機関、保健所、精神保健福祉センターなどの機関で受けられます。

※当クリニックでは、「アルコール依存症」に関する治療を行っていません

アルコールとED治療薬の併用は可能

バイアグラとビール

日本国内ではバイアグラ、レビトラ、シアリス、3つのED治療薬が存在します。
この3つのED治療薬とアルコールの併用は可能です。

ただし、過剰のアルコールはED治療薬の効果を抑制してしまうため、注意が必要です。
性行為前には過度な飲酒を控え、飲むなら少量に留めておきましょう。

適量のアルコール摂取により精神的にリラックスしつつ、ED治療薬で勃起力を向上させれば、性行為の満足度がさらに高まるでしょう。
ただし、アルコールとED治療薬の併用により副作用が生じるケースもあるため、心配な場合はクリニックの医師に相談してください。

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まとめ〜勃起力低下が気になるならアルコール摂取量を見直そう〜

今回は、アルコールとED(勃起不全)の関係について解説しました。

適度なアルコール摂取であればEDの改善が期待できますが、お酒の飲みすぎは身体に毒です。
結果として、勃起力が低下してEDに至る可能性があるため、注意しましょう。

また、アルコールの過剰摂取によるEDが疑われる場合は、減酒・禁酒やED治療薬の服用が有効です。
アルコールを適量摂取しつつED治療薬も併用することで、効率的な勃起力改善が期待できるでしょう。

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