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持続勃起症(プリアピズム)とは?原因や治療方法を解説【医師監修】

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持続勃起症(プリアピズム)とは?原因や治療方法を解説【医師監修】

皆さんは「持続勃起症(プリアピズム)」という陰茎の疾患をご存知でしょうか。

治療のための対応が遅れてしまうと勃起機能が失われ、ED(勃起不全)になってしまうこともある恐ろしい疾患です。
男性であれば誰でも発症する可能性があり、特に20代~50代の方に多いと言われています。

もしもの時のために持続勃起症についての知識を深めておくことをおすすめします。

今回は、持続勃起症の症状や原因、治療方法などについて解説します。

※当クリニックでは、「持続勃起症(プリアピズム)」に関する治療を行っていません

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持続勃起症(プリアピズム)とは?

股間を押さえる男性

持続勃起症(プリアピズム)とは、自分の意思や性的興奮、性欲などと無関係に完全な勃起状態が続き、ほとんどの場合痛みを伴う疾患です。
一般的には約4時間以上、性的刺激がないにも関わらず、完全な勃起状態が続く場合、持続勃起症と診断されます。

正常な勃起の場合は、性的な想像をやめたり、性的刺激がなくなれば元に戻りますが、持続勃起症では勃起が収まらなくなります。
ただし、陰茎海綿体のみ勃起し、亀頭や尿道海綿体は勃起しないため、排尿には支障がなく、問題なく排尿することが可能です。

10歳以下の男児や20代~50代の男性で最も多く見られます。

約6時間以上完全な勃起状態が続くと、陰茎の血管や神経を損傷し、ED(勃起不全)を引き起こしたり、勃起機能を永続的に失う可能性があります。

また、持続勃起症は、症状別に大きく以下の3種類に分類されます。

持続勃起症の分類

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虚血性持続勃起症(静脈性持続勃起症)

虚血性持続勃起症(静脈性持続勃起症)とは、陰茎海綿体内の静脈がうっ血し、静脈血が停留して、体内へ流出できないことで引き起こされる持続勃起症です。
虚血性持続勃起症は、完全な勃起状態で痛みを伴い、陰茎組織が壊死する可能性があるため、緊急治療が必要になります。

持続勃起症を発症する方の多くは、この虚血性持続勃起症によるものです。

陰茎海綿体内に新鮮な酸素を含んだ血液の流入がなくなるので、陰茎の組織が虚血(酸欠)状態に陥ります。
そのため、勃起が約4時間以上持続すると、激しい痛みを生じるようになり、約6時間以上持続するとEDや陰茎組織の壊死に繋がる可能性があるのです。

非虚血性持続勃起症(動脈性持続勃起症)

非虚血性持続勃起症(動脈性持続勃起症)とは、陰茎海綿体内の動脈が損傷し、動脈血が常に陰茎へ流入することで引き起こされる持続勃起症です。
非虚血性持続勃起症は、不完全な勃起状態で痛みを伴わず、陰茎組織が壊死することもないため、治療の緊急性はありません。

発症頻度は虚血性持続勃起症よりも低く、会陰部への外傷や打撲から時間が経過して発症することが多く、外傷や打撲直後に発症するわけではありません。

具体的には、外傷や打撲後に動静脈瘻が形成され、陰茎へ流入する動脈血がコントロールできなくなることで発症します。

動静脈瘻とは、動脈と静脈との間にできる異常な連結部分のことで、稀に動静脈瘻によって血液の流れが大きく変わることがあります。
その影響を受けると、陰茎へ流入する動脈血がコントロールできなくなるのです。

断続性持続勃起症(Stuttering Priapism)

断続性持続勃起症(Stuttering Priapism)とは、再発を繰り返す虚血性持続勃起症の一種です。
間欠性持続勃起症と呼ばれることもあります。

主な症状や原因などは、虚血性持続勃起症と同じですが、勃起している期間と勃起していない期間が交互に引き起こされるのが特徴です。

鎌状赤血球症の方は、断続性持続勃起症を発症しやすい傾向があります。

持続勃起症の原因

血流のイメージ

持続勃起症は、血管や血液、神経などに異常が生じることが主な原因です。
誤解されがちですが、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が大量に分泌されても持続勃起症が引き起こされることはありません。

虚血性持続勃起症(断続性持続勃起症を含む)と非虚血性持続勃起症では、原因が異なります。
ただし、成人男性においては特発的で原因不明の場合が多く存在し、原因を特定できないこともあります。

持続勃起症の原因

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虚血性持続勃起症の原因

虚血性持続勃起症の原因は、以下の通りです。

虚血性持続勃起症の原因

  • 前立腺がんの進行
  • 抗不安薬(精神安定剤)の服用
  • α遮断薬などの高血圧治療薬の服用
  • 大量の飲酒(アルコールの過剰摂取)
  • 脊髄の損傷による下半身の筋力低下
  • アンフェタミンやコカインなどを含む覚せい剤の服用
  • 白血病や鎌状赤血球症、悪性リンパ腫などの血液疾患
  • バイアグラなどのED治療薬(ホスホジエステラーゼ5阻害薬)の服用
  • プロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)の陰茎海綿体への注射
  • etc...

※断続性持続勃起症を含む

断続性持続勃起症は、虚血性持続勃起症の一種のため、原因も同様です。

虚血性持続勃起症の原因は、鎌状赤血球症によるものが最も多いとされています。
その他、白血病や悪性リンパ腫など血液疾患を抱えている方は、陰茎の血流に影響を与えやすく、虚血性持続勃起症を発症するリスクが高い傾向があります。

また、近年では、陰茎海綿体注射治療(ICI治療)によるプロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)の陰茎海綿体への注射が原因で発症する症例が増えてきているようです。

非虚血性持続勃起症の原因

非虚血性持続勃起症の原因は、以下の通りです。

非虚血性持続勃起症の原因

  • 会陰部への外傷や打撲
  • 過剰な自慰行為による陰茎の動脈損傷
  • etc...

非虚血性持続勃起症の原因は、会陰部への外傷や打撲によるものが最も多いとされています。

また、過剰な自慰行為(マスターベーション)によって陰茎の動脈が損傷することでも非虚血性持続勃起症を発症する可能性があります。
行き過ぎた性的快楽や絶頂(オーガズム)を求めた結果、間違った自慰行為によって引き起こされることもあるのです。

持続勃起症の治療方法

注射器を持つ医者

虚血性持続勃起症(断続性持続勃起症を含む)と非虚血性持続勃起症では、治療方法が異なります。

持続勃起症の治療方法

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※当クリニックでは、「持続勃起症(プリアピズム)」に関する治療を行っていません

虚血性持続勃起症の治療方法

虚血性持続勃起症と診断が確定した場合は、ただちに治療を行う必要があります。

治療の手順

  1. 陰茎海綿体内に注射針を刺し、血液を吸引する。
  2. 改善が見られない場合は、陰茎海綿体を生理食塩水によって洗浄する。
  3. 血管収縮薬を陰茎海綿体内に注入する。
  4. 約15分様子を見て、改善が見られない場合は、再度同様の処置を行う。

通常、虚血性持続勃起症の治療は、上記の様な手順で行われます。

また、使用する血管収縮薬は、以下の通りです。

血管収縮薬の薬剤名(有効成分名)

  • ネオシネジンコーワ注(フェニレフリン塩酸塩)
  • ノルアドレナリン注(ノルアドレナリン)
  • ボスミン注(ノルアドレナリン)
  • etc...

ただし、6時間以上勃起が続くと「アシデミア(酸血症)」になり、上記の様な血管収縮薬が作用しにくい状態となります。
アシデミアとは、血液中の酸と塩基の関係が酸優位の「アシドーシス」という状態(体内の酸が過剰に蓄積された状態)で、pH値が約7.36以下になることです。

血管収縮薬による薬物治療で改善が見られない場合は、ただちに「シャント手術」を行うことになります。
シャント手術とは、簡単に言えば、溜まっている血液を他の場所へ逃がす手術です。

よく行われる持続勃起症のシャント手術は、陰茎に局所麻酔を行い、亀頭から生検針やメスを刺し、陰茎海綿体内の血液を体外に逃がして血流を改善します。

血液を逃がす際は、凝血塊があれば除去し、血液が鮮紅色になるまで絞り出すことになります。
最後に亀頭の皮膚を吸収糸で縫合し、止血すれば完了です。

ちなみに、持続勃起症のシャント手術には以下の様な種類があります。

シャント手術の種類

  • Winter法:亀頭から陰茎海綿体内に生検針を刺入する方法
  • Ebbehøj法:亀頭から陰茎海綿体内にメスを刺入する方法
  • T-shaped shunt法:亀頭から陰茎海綿体内にメスを刺入し、90度回転させて引き、T字状に切開する方法
  • etc...

しかし、シャント手術を行うと、約50%の方はEDを発症してしまうと言われています。

非虚血性持続勃起症の治療方法

非虚血性持続勃起症と診断が確定した場合は、治療を急ぐ必要はありません。

非虚血性持続勃起症の治療は、主に損傷部位の圧迫やクーリング(冷却)、止血剤の服用などで治療を行い、経過観察することになります。
経過観察期間は定まっていませんが、約1ヶ月~2ヶ月経っても改善が見られない場合は、血管造影検査を行い、塞栓術を行います。

塞栓術とは、損傷した血管を塞ぐため、塞栓物質として、主に自己凝血塊(自分の血液の塊)を投与する方法です。

自己凝血塊以外にも血管を塞ぐため、以下の様な一時的塞栓物質と永久塞栓物質が用いられることがあります。

血管を塞ぐための塞栓物質

  • 一時的塞栓物質:自己凝血塊、ゼラチンスポンジなど
  • 永久塞栓物質:金属コイル、ポリビニルアルコールなど

まとめ~絶対に放置してはいけない~

4時間以上強い勃起状態が続くなどの症状が見られ、持続勃起症が疑われる場合、すぐに泌尿器科のある病院など専門の医療機関へ駆け込みましょう。

絶対にそのまま放置してはいけません。

虚血性持続勃起症(断続性持続勃起症を含む)と非虚血性持続勃起症では、病態や原因が異なるため、治療方法やその緊急度も異なります。
虚血性持続勃起症の場合は、早急に治療を開始しなければ手遅れになることもあるので、その2つの持続勃起症を区別することが大切です。

対応が遅れれば遅れるほどEDを引き起こしたり、勃起機能が失われるリスクが高くなってしまいます。

持続勃起症は、男性であれば誰でもいつでも発症する可能性のある疾患です。
「自分は関係ないだろう」と思い込まず、もしもの時のために正しい知識を身に付けておきましょう。

スタッフより

スタッフ

クリニックコラムをお読みいただきありがとうございます!
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