1998年、ED(勃起不全)の治療薬としてアメリカで誕生したバイアグラが昨今再び注目を集めています。
バイアグラの有効成分「シルデナフィル」がアルツハイマー病の発症を防ぐ働きがあることを示唆するデータが報告されたのです。
つまり、バイアグラで認知症の一種であるアルツハイマー病を予防できるかもしれないということです。
かつて、世の男性に希望を与えた「ブルーダイヤモンド」は再び医療に革命を起こすのでしょうか。
今回は、バイアグラがアルツハイマー病の予防に役立つ可能性について解説します。
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そもそも認知症とは?
認知症とは、脳の細胞が死んだり、働きが弱まることで、記憶力や理解力などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活などが困難になる疾患の総称です。
主に、加齢に伴う脳の衰えが原因で、60歳を過ぎると認知機能が少しずつ低下していきます。
認知症は、誰でも発症する可能性があり、年をとるほど認知症になりやすくなります。
日本国内では、高齢化社会の拡大とともに、認知症を発症する患者数が年々増加傾向にあります。
認知症患者数は、約600万人以上(2020年時点)となっており、65歳以上の約6人に1人が認知症患者であると言われています。
認知症には、症状の原因ごとに様々な種類があります。
認知症の種類
- アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)
- 脳血管性認知症(血管性認知症)
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症(前頭側頭葉変性症)
- 若年性認知症
- アルコール性認知症
- 特発性正常圧水頭症(正常圧水頭症)
- etc...
アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)とは、脳の複数箇所が変性し、神経細胞が破壊されることで、脳の一部が萎縮することで起きる認知症です。
症状は、「もの忘れ」から始まってゆっくり進行することもあれば、急速に進む場合もあります。
アルツハイマー病は、認知症の中で最も患者数が多く、認知症の約6割を占めるとされています。
一度、アルツハイマー病を発症すると、現在の治療方法では、完治が難しい疾患なので、予防が何よりも大切です。
バイアグラがアルツハイマー病を予防!?
2021年12月6日、とある研究結果がアメリカの科学誌「Nature Aging(ネイチャー・エイジング)」に掲載されました。
その研究内容とは、「シルデナフィルがアルツハイマー病の予防に役立つ可能性がある」というものでした。
シルデナフィルとは、ED治療薬のバイアグラや肺動脈性肺高血圧症の治療薬に含まれている有効成分です。
研究を行なったのは、アメリカのオハイオ州クリーブランドに拠点を置く、非営利の学術医療センター「Cleveland Clinic(クリーブランド・クリニック)」の研究チームです。
研究チームは、アメリカの認知症患者723万人分の医療費請求データベースを用いて、シルデナフィルの服用者とアルツハイマー病の発症の関係性を6年間追跡し、調査しました。
そして、「シルデナフィルの服用者は、アルツハイマー病の発症リスクが69%低い」ということが明らかになったのです。
また、「アルツハイマー病の発症リスクを低下させる可能性が既に報告されている薬剤の服用者と比較しても、シルデナフィルの方が発症リスクが低い」ということも分かったのです。
「シルデナフィル」と他の薬剤と発症率の比較
- 高血圧治療薬「ロサルタン」に比べて55%低い
- 糖尿病治療薬「メトホルミン」に比べて63%低い
- 血糖降下剤「グリメピリド」に比べて64%低い
- カルシウム拮抗剤「ジルチアゼム」に比べて65%低い
他にも、アルツハイマー病の発症リスクと関連すると言われている冠動脈疾患や高血圧、糖尿病の併発の有無に関わらず、シルデナフィルの服用によってアルツハイマー病の発症リスクを低下させることが分かっています。
予防のメカニズム
実は、バイアグラの有効成分「シルデナフィル」がアルツハイマー病を予防する詳しいメカニズムはまだ判明していません。
今のところ、シルデナフィルが持つ、PDE5(phosphodiesterase 5:ホスホジエステラーゼ5)を阻害する働きが「アルツハイマー病の予防に関係しているかもしれない」ということまでしかわかっていないのです。
そもそも、アルツハイマー病は、「アミロイドβ」や「タウタンパク質」と呼ばれるたんぱく質が脳内に異常蓄積し、脳の神経細胞を変性させることで発症すると考えられています。
研究チームによると、アルツハイマー病患者から採取して培養した神経幹細胞をシルデナフィルに曝露させたところ「アミロイドβ」や「タウタンパク質」の両方にシルデナフィルが作用し、2つのたんぱく質の蓄積を防げる可能性が示されました。
また、シルデナフィルが脳の神経細胞の成長を促進させる可能性も示されたのです。
実際に、とある研究では、PDE5阻害薬がマウスの認知機能を改善するというデータも発表されています。
しかし、一連の研究結果は、シルデナフィルの服用によってアルツハイマー病の発症リスクが低下するかもしれないという相関関係が認められたにすぎません。
今後、臨床試験などを通して因果関係を究明し、アルツハイマー病患者への臨床効果を立証していくようです。
最近の研究では・・・
しかし、最近の研究では、「バイアグラはアルツハイマー病を予防できない」という研究結果も示されています。
この研究内容は、2022年10月4日「Brain Communications」というアメリカの脳や神経系の疾患に関する科学誌のオンライン版に掲載されました。
これまで同様、マウスなどの動物研究では、PDE5を阻害する作用を持つシルデナフィル(バイアグラ)やタダラフィル(シアリス)などのED治療薬が脳の記憶機能・認知機能を改善し、アミロイドβによる負荷を軽減することが示されています。
しかし、人間での研究においては、医療費請求データベースを用いて、前回とは異なる患者を対象に再調査したところ、相反する結果が出たのです。
ADRD(アルツハイマー病および関連する認知症)の発症リスクがPDE5阻害薬によって減少するという証拠は観察されなかったのです。
また、細胞培養研究では、PED5阻害薬によって脳細胞の保護効果も確認できなかったということが明らかになっています。
これらの結果は、PDE5阻害薬がアルツハイマー病を予防したり、治療薬になることはないということを示唆しています。
ただし、この研究によってPDE5阻害薬がアルツハイマー病を予防する効果が無いと最終的な答えとして導き出されたわけではないとしています。
こういったデータから疾患と医薬品の因果関係を特定するのは非常に困難だからです。
なんにせよ、現状はあくまで「予防できるかもしれない」というだけに留めておいた方が良いのかもしれません。
アルツハイマー病の根本治療薬は存在しない
今後、日本のみならず、世界中で高齢者の増加とともに、さらに認知症患者は増えていくと見込まれています。
全世界の認知症患者は約5,500万人(2019年時点)いると推定されており、2050年には約1億5,000万人にまで増加すると予測されています。
しかし、現在は認知症の進行を遅らせる治療薬は存在しても、根治させる治療薬は存在していません。
日本国内で、厚生労働省から承認を受けている認知症治療薬は、以下の通りです。
認知症治療薬の薬剤名(有効成分)
- アリセプト(ドネペジル塩酸塩)
- レミニール(ガランタミン臭化水素酸塩)
- メマリー(メマンチン塩酸塩)
- イクセロンパッチ(リバスチグミン)
- リバスタッチパッチ(リバスチグミン)
上記の薬剤はいずれも、アルツハイマー病などの認知症症状の進行を抑制する効果にとどまっています。
世界中の人々がアルツハイマー病を含む認知症の根本治療薬を渇望しており、世界初の根本治療薬の登場を心待ちにしています。
これまで、多くの研究者や製薬会社が根本治療薬の開発競争を繰り広げていますが、開発中止や承認の見送りが相次いでいます。
近年では、アメリカのバイオジェン社と日本のエーザイ株式会社が開発を進め、認知症の根本治療薬として期待されていた「アデュカヌマブ」という薬剤の承認が見送られてしまいました。
そんな期待の新薬が世に出回らない中、アルツハイマー病の予防が期待できるバイアグラの有効成分「シルデナフィル」に注目が集まったのです。
今後の臨床試験の結果次第では、将来的にシルデナフィルを使用した薬剤がアルツハイマー病の根本治療薬となるかもしれません。
また、アデュカヌマブなどの新薬が承認・販売されたとしても非常に高額になると見込まれていますが、シルデナフィルは国内外で特許が切れて、多くの後発医薬品(ジェネリック医薬品)が販売されています。
仮にシルデナフィルが認知症の根本治療薬になったとしても、より安価に多くの認知症患者に行き渡らせることができます。
アルツハイマー病の予防が期待できるシルデナフィルは「根本治療薬」になる可能性も秘めており、高齢化社会の救世主になるかもしれないと期待されているのです。
まとめ~バイアグラには様々な可能性がある~
バイアグラの有効成分である「シルデナフィル」は、本来の勃起促進効果以外にも様々な可能性があります。
シルデナフィルがPDE5の働きを阻害して、血管拡張作用をもたらすのは陰茎だけではありません。
肺動脈の血管拡張作用が認められ、2008年4月には肺動脈性肺高血圧症の治療薬として「レバチオ」という薬剤名で販売されています。
また、最近では子作りに使用するために、男性不妊治療薬としての効果が期待されています。
2022年4月には、バイアグラやシアリスなどのED治療薬が男性不妊治療薬として保険適用が認められることになっています。
今回のアルツハイマー病の予防の可能性も含め、シルデナフィルにはこれからも誰も予想できない活用方法がまだまだあるのかもしれません。
今後も、単なる勃起促進効果にとどまらない、バイアグラ(シルデナフィル)の活用方法に目が離せません。
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