
皆さんは「性依存症(セックス依存症)」という疾患をご存知でしょうか。
恋愛や性行為(セックス)は、大抵の人が経験したいと思う心理的欲求であり、生理的欲求でもあります。
なので、それらを求めること自体は何らかの疾患や障害ではなく、普通のことです。
しかし、依存症は、ある特定の物質(アルコールや薬物など)や行動(ゲームやギャンブルなど)に執着し、コントロール(自制)が効かなくなり、衝動的に物質を摂取したり、繰り返し執着した行動をしてしまう疾患です。
恋愛や性行為がこの様な依存症になってしまうことがあるのです。
今回は、性依存症の症状や原因、治療方法などについて解説します。
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性依存症(セックス依存症)とは?

性依存症(セックス依存症)とは、特定の性的な行動に対する依存症(嗜癖)のことです。
主に性行為(セックス)に依存する方が多いため、「セックス中毒」と呼ばれることもあります。
また、世界保健機関(WHO)の「国際疾病分類第11版(ICD-11)」では、「強迫的性行動症」という病名で診断されます。
依存する対象は、実際に相手のいる性行為だけでなく、自慰行為(マスターベーション)への過度な耽溺も含まれます。
勘違いしがちですが、単純に性行為や自慰行為など性的な行動が好きなだけでは、性依存症とは言いません。
そういった性的な行動自体に強く執着したり、固執することで不利益な状況に陥ったとしても、それでもやめられない状態が性依存症と呼ばれる状態です。
ただし、どの程度の執着や固執、不利益な状況で「正常」と「依存」の境界を引くかについては個人差があるため、難しいという課題があります。
ちなみに、性行為や自慰行為以外にも以下の様な行為に依存することで性依存症と呼ばれることがあります。
性依存症に該当する行為
- 性行為(セックス)
- 自慰行為(マスターベーション)
- 風俗通い
- 不倫(浮気)
- アダルトチャット
- 盗撮
- のぞき
- 露出
- ストーキング
- 下着窃盗
- 痴漢
- 強姦
- etc...
性依存症の方は、上記の様な行為によって得られる性的興奮や性的刺激に陶酔することが習慣化し、徐々に自制心を失っていきます。
具体的に問題になる「性依存症」とは、性的欲求が頭から離れず、浮気や不倫を繰り返してパートナーを傷つけたり、不特定多数の相手と性的肉体関係を持つことで性感染症に感染するなど「不利益な状況になってもやめられない」状態のことです。
他にも、風俗通いがやめられず多額の借金を背負ったり、自慰行為がやめられず会社に遅刻するなどの不利益を被ってもやめられないなら性依存症と言えます。
具体的な不利益例
社会的損失 | 浮気や不倫によって社会的信用を失い会社をクビになる |
---|---|
身体的損失 | 不特定多数との性行為によって性感染症に感染する(女性の場合、望まない妊娠や人工妊娠中絶など) |
経済的損失 | 風俗通いがやめられず多額の借金を重ねてしまう |
性依存症は、年齢や性別、性自認、性的指向などを問わず、誰にでも起こりえる依存症なので、自分には関係ないと思わないことが大切です。
性依存症は「行為依存(プロセス依存)」に分類される
そもそも、依存症とは、主に「物質依存」「行為依存(プロセス依存)」「関係依存」という3種類に分けられます。
性依存症は、ギャンブル依存症や買い物依存症などと同じ「行為依存(プロセス依存)」という依存症に分類されます。
依存症の種類
物質依存 | 精神的に作用する物質への依存(アルコール、睡眠薬、精神安定剤、ニコチン、覚醒剤、大麻、シンナーなど) |
---|---|
行為依存 (プロセス依存) |
特定の行動に対しての依存(競馬、競輪、競艇、オートレース、パチンコ、スマートフォン、ゲーム、インターネット、自傷行為、窃盗、買い物、浪費、過食、虐待など) |
関係依存 | 特定の人間関係に依存(友人、恋人、家族など) |
行為依存とは、特定の行動から得られる刺激や安心感などにのめり込んで、不利益が生じてもやめられなくなる状態のことです。
例えば、競馬やパチンコなどのギャンブルで勝った時の記憶が忘れられず、のめり込んでしまい、借金を背負ってもやめられなくなると「ギャンブル依存症」と呼ばれます。
性依存症セルフチェックリスト
以下の様な悩みを抱えている方は、性依存症かもしれません。
項目が複数当てはまる方は、性依存症にご注意ください。
このような方は性依存症かも
- 特定の性的な行動への衝動が強く繰り返されたり、抑えることができない
- 特定の性的な行動を性欲がないのにしてしまう
- 特定の性的な行動のせいで日常生活や社会生活に支障がでている
- 特定の性的な行動によって何らかの不利益が生じている
- 特定の性的な行動の後に虚しさや寂しさを感じる
- 特定の性的な行動ができないとストレスや不安を感じる
- 特定の性的な行動をしていると安心してリラックスできる
- 特定の性的な行動を自分が想定するよりも長時間している
- 特定の性的な行動をやめたいのにやめられない
- 特定の性的な行動のことが常に気になる
- 特定の性的な行動以外のことに興味や関心が持てない
- 特定の性的な行動をする頻度や回数が多い
- 性行為だけが異性を求める理由になっている
- 不特定多数と性的肉体関係を持っている
- 初めて出会った赤の他人と性行為をしてしまうことが多い
- etc...
※特定の性的な行動=前述した性行為や自慰行為などの「性依存症に該当する行為」のこと
性依存症の原因

性依存症は、必ずしも性欲が強いから発症するわけではありません。
性依存症の原因は人によって様々です。
性依存症を発症する主な原因は、以下の通りです。
性依存症の原因
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幼少期の家庭環境に問題がある

性依存症に悩んでいる方の多くには、幼少期の家庭環境に問題があったという共通点が見られます。
幼少期のネガティブな事象は、生涯に渡って心と体の健康に悪影響を与える可能性があるのです。
幼少期に家族からの虐待(性的虐待も含む)やネグレクト(育児放棄)、暴力などを受け、安心安全な家庭環境で過ごせなかった場合、見捨てられることに対して過剰に不安を抱いたり、自己肯定感が低くなりやすい傾向があります。
これは、自分自身に対して起こる事象に限った話ではありません。
家族の誰かが依存症(アルコールや薬物、ギャンブルなど)を発症していたり、親が不倫(浮気)するなど「小児期逆境体験」を経験していても同様のことが起こりえます。
どちらも親から十分な愛情を受けられないことが大きく影響してきます。
もちろん、幼少期の家庭環境に問題がある状況下で育った方が全て性依存症になるわけではありません。
しかし、幼少期に家族や生活に関して困難な体験を多くしていると、性行為のときに「自分は受け入れられている」「自分は必要とされている」と錯覚しやすくなってしまうのです。
結果として、性行為を行う相手が誰かはほとんど関係なく「誰かに必要とされたい」という気持ちを満たすために性行為にのめり込み、性依存症を発症してしまうことがあります。
自暴自棄による自傷行為

根底に強い性的嫌悪感を持っている方でも性依存症に陥ることがあります。
むしろそういった方こそ、性暴力や性犯罪の被害者になった時「こんな目に遭った自分にはもう価値がない」「自分は汚い存在だ」と自暴自棄になりやすく、まるで自傷行為のように不特定多数の相手と性行為に及んでしまうことがあるのです。
自傷的な性行為が常態化してしまうと結果的に性依存症になってしまいます。
性行為に限らず、特定の性的な行動に依存している間は、脳内から快楽物質が放出されているため、「寂しい」「虚しい」「悲しい」「辛い」などネガティブな気持ちから一時的に逃れることができます。
そのため、「しなければ安心できない!」と強迫的に繰り返してしまうこともあるのです。
より刺激的な性的快楽を求めた結果

特定の性的な行動によって、より刺激的な性的快楽を求め続けた結果、性依存症にまでエスカレートしていくことがあります。
性的な経験が豊富な方ほど、より刺激的な性的快楽を求めやすく、性依存症に陥りやすいとされています。
しかし、交際相手との性行為によって、それまで知らなかった刺激的な経験がきっかけとなることもあります。
一度、経験してしまうとその時の刺激が忘れられず、より刺激的な性的快楽を求めるようになります。
簡単に言えば「もっと気持ちが良くなりたい」という願望が出発点となるのです。
男性の場合、仕事でストレスを抱えていたり、家庭で満たされない寂しさ、虚しさを抱えている方ほど、一度覚えた性的快楽を求めて、特定の性的な行動が繰り返されやすい傾向があります。
不倫や浮気などの行為が成功するにつれ、スリルや達成感、高揚感が強くなっていくことで常態化し、性依存症に陥ることもあるのです。
恋愛依存症の延長

恋愛依存症とは、交際している相手だけではなく、「交際(付き合う)」という行為そのものに対して執着したり、固執する依存症のことです。
恋愛依存症は、特に女性に多く見られる依存症とされています。
恋愛感情を持っている相手が傍にいる時に充実感や安心感が得られ、逆に恋愛をしていないと空虚で満たされない状態になるのが特徴です。
この恋愛依存症の延長として、寂しさや虚しさで情緒不安定となった精神状態を落ち着かせるため、性行為など特定の性的な行動に依存してしまうことがあるのです。
恋愛依存症が常態化し、悪化した状態が性依存症と言えるかもしれません。
性依存症の治療方法

性依存症に限らず、何らかの依存症は自分の意思で特定の物質の摂取や行為をやめたり、減らしたりすることはなかなかできません。
そのため、本人の意思のみで完治を目指すことは難しいとされています。
しかし、適切な治療をしなければ、少しずつ症状が悪化していく傾向があります。
ただ、日本国内において、いまだ性依存症の認知度は低いため、患者の苦悩度合の割に専門的な治療が受けられる病院やクリニックなどの医療機関が少ないというのが現状です。
それでも、性依存症が原因で迷惑行為や犯罪などを引き起こし、第三者へ不利益を与えたり、2つ以上の依存症を引き起こしている「クロスアディクション(多重嗜癖)」が認められる場合にはただちに治療すべきです。
これからご紹介する治療方法を試すことをおすすめします。
性依存症の治療方法は、以下の通りです。
性依存症の治療方法
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自己肯定感を高める

他の依存症の治療方法と同様、特定の性的な行動以外で自己肯定感を高めることが性依存症を治療する基本となります。
自己を認識し、自己肯定感を高めることは自分を大切にすることに繋がります。
ありのままの自分を認めて、自分自身を好意的に捉えられれば、「自分なんかに価値は無い」とは思わなくなるはずです。
そうすることで、自暴自棄になって自傷行為的に特定の性的な行動へ走るといったことがなくなるはずです。
そのためには、まず現状に満足する生活を送りましょう。
「この食べ物、美味しいな」
「今日は良い天気だな」
「今日も健康だな」
と日常生活の中にほんの些細な幸せを見つけるだけで良いのです。
何か、新しい試みをする必要はありません。
文句や愚痴をこぼしたり、何かに熱中したり、向上心を高める必要はないのです。
こういった些細な幸せを「見つける」か「見逃す」かは自分次第です。
現状の生活に満足できれば、おのずと自己肯定感を高められ、ポジティブな思考を持てるようになるので、性依存症から抜け出す確率を高めてくるはずです。
他のことに熱中する

どうしても現状の生活に満足できない方は、特定の性的な行動以外のことに熱中してみましょう。
スポーツや資格の勉強、英会話など、自己肯定感を高められることでも良いですし、家で暇つぶしができる読書などの趣味でも良いでしょう。
ただし、熱中すると言ってもギャンブルやゲームなど他の依存症を招く恐れのある行為は論外です。
性依存症に限らず、依存症になると、極端に物事の視野が狭くなる傾向があります。
特定の性的な行動だけに囚われないため、他に熱中できることを探して意識的にやってみると良いでしょう。
これだけでも性依存症から脱却できる確率を高めてくれます。
精神療法(カウンセリング)

性依存症は、認知行動療法などの精神療法(カウンセリング)を受けることで治療することができます。
認知行動療法とは、発生している問題を具体的に認知し、考え方や行動を少しずつ変えていくことで、問題の解決を目指す精神療法の一種です。
自分の行動によって大した問題は起きない、あるいは起きていないなど歪んだ認識がある場合、それらを正しく客観的に自覚する努力が必要になります。
性依存症の背景には、ストレスや不安、虚無感、孤独感などを抱えていることが多いため、それらの感情を客観的に意識できるようになることで、性依存症の解消に繋がることがあるのです。
専門の医師へカウンセリングを通して、問題となる考え方や行動をオープンにすることで、特定の性的な行動を回避する対処方法を身につけられ、性依存症の脱却が期待できます。
認知行動療法の基本的な手順
- 特定の性的な行動への引き金となる原因をリスト化する
- 特定の性的な行動が起きた時の状況やその時の感情を書き出す
- 特定の性的な行動を回避するための対処方法を準備する
- 特定の性的な行動を回避するための対処方法を実践する
- 新しい生活スタイルを作る
※医療機関によって実施する手順やプログラムは異なります
他にも、メンタルヘルス関連の自助グループ(セルフヘルプグループ)に参加することも性依存症の治療には有効です。
性依存症の原因や特徴、治療方法などについて、同じような悩みを持つ患者同士で話し合い、理解を深めることも、再発の防止に役立ちます。
「逮捕された」「会社をクビになった」「破産した」など他人の失敗経験を聞くことで、自分の置かれている状況を客観的に認識できるようになり、治療に向き合う姿勢が生まれやすくなります。
そして、自分の経験をミーティングで正直に話すことで、特定の性的な行動を止めるストッパーとなり、徐々に症状が改善されていきます。
薬物療法

現在、性依存症を直接治療する医薬品は、まだ開発されていません。
しかし、性欲や衝動性を抑制したり、強迫観念を緩和することが可能な医薬品が効果的なことがあります。
その際には、「抗うつ薬(抗不安薬)」「精神安定剤」「抗精神病薬(向精神薬)」「気分安定薬」などの医薬品が用いられます。
必要に応じて精神療法などの治療方法と薬物療法を併用することで、性欲が原因で引き起こされる性依存症であれば、薬理的に抑えることができます。
まとめ~性欲が強めだと思ったら念のため要注意!~
性依存症は、必ずしも性欲の強い方が発症するわけではありません。
しかし、性依存症にまでエスカレートしやすい傾向があるのは事実です。
自分の性欲が強いと自覚している方は、性行為や自慰行為などの頻度や回数、時間などが一般的な平均値かどうか把握しておきましょう。
もし、頻度や回数が多く、時間も長い場合は、念のため、専門の医療機関に診断してもらうと良いでしょう。
自分や身近な方が「性依存症かも?」と思ったら、まず「性依存症セルフチェック」をしてみることをおすすめします。
項目に複数該当していた場合は、性依存症の可能性があります。
性依存症はどんな方にでも起こりえる疾患です。
くれぐれも、自分には関係ないことだと思わないようにしてください。
スタッフより

クリニックコラムをお読みいただきありがとうございます!
いかがでしたでしょうか、参考にはなったでしょうか?
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