クリニックコラム

性依存症(セックス依存症)とは?診断テストや原因・治療方法を解説【医師監修】

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性依存症(セックス依存症)とは?診断テストや原因・治療方法を解説【医師監修】

性的な衝動や行動をコントロールできず日常生活に支障をきたす状態を、性依存症(セックス依存症)と呼びます。

性依存症は、本人の意思に反して性的行動が繰り返される症状であり、場合によっては犯罪に繋がりうる深刻な問題です。

今回は、性依存症のセルフ診断テストや実際の事例、今日からできる治療方法まで詳しく解説します。
後半では性依存症とED(勃起不全)の関係性についても触れるので、性に関する悩みを抱えている方はぜひ最後までご覧ください。

※当クリニックでは、「性依存症(セックス依存症)」に関する治療を行っていません

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性依存症(セックス依存症)とは

抱き合うカップル

性依存症(セックス依存症)とは、性的な行動や思考に過度にとらわれ、自分の意思ではコントロールできない状態を指します。

性依存症に該当しうる性的な行動の例

  • 性行為(セックス)
  • 自慰行為(マスターベーション)
  • 風俗通い
  • 不倫(浮気)
  • アダルトチャット
  • 盗撮
  • のぞき
  • 露出
  • ストーキング
  • 下着窃盗
  • 痴漢
  • 強姦
  • etc...

主に性行為に依存する方が多いため、「セックス中毒」と呼ばれることもあります。

性依存症の方は単に性欲が強いだけでなく、性的な行動が生活の中心となり、仕事や人間関係に支障をきたすことが特徴です。

ただし、どの程度の執着や固執、不利益な状況で「正常」と「依存」を判断するのか個人差があるので難しいです。

以下では、性依存症の主な特徴を詳しく解説します。

性依存症(セックス依存症)の特徴

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長期的な損失より短期的な性的快楽を優先してしまう

性依存症の方は、長期的な利益や健全な生活よりも、性的な行動による一時的な快感や興奮を優先してしまう傾向があります。

短期的な性的快楽を優先する結果、以下のような3種類の損失を被るリスクがあります。

社会的損失 浮気や不倫によってパートナーとの関係が崩壊する
性的な犯罪を起こして会社をクビになる
身体的損失 不特定多数との性行為によって性感染症に感染する
経済的損失 風俗通いがやめられず多額の借金を重ねてしまう

浮気や不倫を繰り返してパートナーを傷つける、不特定多数の相手と性的肉体関係を持って性感染症に感染など、「不利益な状況になってもやめられない」状態は性依存症の可能性が高いです。

ほかにも、風俗通いがやめられず多額の借金を背負う、自慰行為がやめられず会社に遅刻するなど、不利益を被ってもやめられない場合は性依存症といえます。

性依存症(セックス依存症)は誰にでも起こりうる

性依存症は、特定の人のみに起こる問題ではありません。

年齢や性別、性的指向などに関係なく、誰でも性依存症になる可能性があるのです。

特にストレスの多い現代社会では、様々な要因が重なって性依存症に陥るリスクが高まっています。

自分には関係ないと思わず、性依存症の特徴に少しでも当てはまると思ったら早急に対策を取ることが大切です。

単に性欲が強くても性依存症とは限らない

性欲の強さと性依存症は必ずしも関係しておらず、性行為や自慰行為の頻度などからは判断できません

20代などの若年層で性欲が旺盛だからといって性依存症とは限らず、むしろ30代〜40代で仕事のストレスを抱えている方により発症するパターンもあるのです。

逆に、性欲が強かったとしても、問題行動を起こしたり日常生活に支障をきたしたりしなければ、性依存症には該当しません。

しかし、仕事中も性的な妄想が止まらず集中力が保てない、あるいはパートナーがいるにもかかわらず不特定多数の相手と性的関係を持ってしまう状況が続く場合は、性依存症の可能性があります。

ただし、本当に性依存症かどうかを正確に判断するには、病院やクリニックなどの医療機関にて専門医の診断を受ける必要があります。

性依存症とギャンブル依存症は同じ分類とされる

性依存症は下記のうち、ギャンブル依存症と同じ「行為依存(プロセス依存)」に分類されます。

行為依存とは、特定の行動から得られる刺激や安心感などにのめり込んで、不利益が生じてもやめられなくなる状態です。

依存症の種類 概要
物質依存 精神的に作用する物質への依存
(アルコール、睡眠薬、精神安定剤、ニコチン、覚醒剤、大麻、シンナーなど)
行為依存
(プロセス依存)
特定の行動に対しての依存
(競馬、競輪、競艇、オートレース、パチンコ、スマートフォン、ゲーム、インターネット、自傷行為、窃盗、買い物、浪費、過食、虐待など)
関係依存 特定の人間関係に依存
(友人、恋人、家族など)

競馬やパチンコなどのギャンブルで勝ったときの快感が忘れられず、生活に支障をきたすほどの経済的損失を被ってまでお金を注ぎ込んでしまう状態が「ギャンブル依存症」です。

性依存症はギャンブル依存症と同様に、行動を自分の意思でコントロールできなくなり、生活に悪影響を及ぼす特徴があります。

性依存症のセルフ診断リスト

チェックする医師

以下のセルフ診断テストの項目に複数当てはまる方は、性依存症の可能性があります。

簡易診断としてまずはチェックしてみてください。

性依存症のセルフ診断リスト

  • 特定の性的な行動(※)への衝動が強く繰り返したり、抑えたりできない
  • 特定の性的な行動(※)を性欲がないのにしてしまう
  • 特定の性的な行動(※)のせいで日常生活や社会生活に支障がでている
  • 特定の性的な行動(※)によって何らかの不利益が生じている
  • 特定の性的な行動(※)の後に虚しさや寂しさを感じる
  • 特定の性的な行動(※)ができないとストレスや不安を感じる
  • 特定の性的な行動(※)をしていると安心してリラックスできる
  • 特定の性的な行動(※)を自分が想定するよりも長時間している
  • 特定の性的な行動(※)をやめたいのにやめられない
  • 特定の性的な行動(※)のことが常に気になる
  • 特定の性的な行動(※)以外のことに興味や関心が持てない
  • 特定の性的な行動(※)をする頻度や回数が多い
  • 性行為だけが異性を求める理由になっている
  • 不特定多数と性的肉体関係を持っている
  • 初めて出会った赤の他人と性行為をしてしまうことが多い
  • etc...

※特定の性的な行動=前述した性行為や自慰行為などの「性依存症に該当する行為」のこと

性依存症の方が当てはまる恐れのある疾患と事例

逮捕される男性

性依存症は正式な疾患として診断されるケースもあり、放置しておくと法律に触れる行為に手を出してしまう恐れもあるため、早期の対応が重要です。

以下では、性依存症の方が当てはまる可能性のある疾患と具体的な事例を説明します。

性依存症の方が当てはまる恐れのある疾患と事例

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性依存症の方は、性嗜好障害あるいは強迫的性行動症と診断される場合があります。
それぞれどのような特徴や危険性があるか確認しておきましょう。

性嗜好障害:性的衝動が抑えられず犯罪に繋がりうる

性嗜好障害とは、性的衝動を抑えられず犯罪に繋がりうる行動パターンを持つ状態を指します。

性嗜好障害の例は、以下の通りです。

性嗜好障害の主な例

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痴漢・のぞき・露出

痴漢・のぞき・露出は、以下のような正式名称で障害に分類されます。

性嗜好障害の行為 分類
痴漢 窃触(せっしょく)障害
のぞき 窃視(せっし)障害
露出 露出障害

上記の行為を頭の中で想像することはあったとしても、健常な方であれば実際に行動に移すことはないでしょう。

行動を我慢しなければならないとわかっていても衝動を抑えきれない場合は、性嗜好障害に分類される性依存症に該当する可能性があります。

衣服や私物の窃盗

性的興奮を得るために他人の衣服や私物を盗む行為は犯罪に該当するとともに、性嗜好障害に当てはまる可能性が高いです。

下着やハイヒールなど、性的興奮を感じる対象物は人によって様々ですが、いずれにしても窃盗を実際に行動に移してしまう場合は、性依存症かもしれません。

一度実行してしまうと、窃盗行為がさらにエスカレートしかねません。

被害者に対して不安感や恐怖心を与える深刻な問題のため、行動が抑えられない方は性嗜好障害の可能性があります。

小児性愛

小児性愛(小児性愛障害)とは、小児(通常13歳以下)に対して性的な興奮を抱き生活に支障をきたす状態を指します。

実際に性的な行動を実行してしまえば重大な犯罪となり、被害者に一生消えない心の傷を負わせる結果、将来の人間関係や社会生活にも大きな悪影響を与えるでしょう。

健常な方であれば、未成年者に対する性的な行為は決していけないことだと頭の中で理解し、理性で抑えられます。

しかし、行動を抑えられない場合は小児性愛障害に該当するかもしれません。

強迫的性行動症:性欲を制御できず生活に支障をきたす

強迫的性行動症とは、性的な行動を制御できず、仮に犯罪には至っていないとしても日常生活に支障をきたしている状態を指します。

強迫的性行動症の具体的な例は、以下の通りです。

強迫的性行動症の例

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風俗通い

風俗にハマって仕事や家庭生活に支障をきたしたり、経済的な問題を抱えたりする場合は、強迫的性行動症に分類されます。

例えば、給料の大半を風俗店で使ってしまい生活費が足りなくなったり、借金を重ねたりしてしまう方は、性依存症かもしれません。

また、風俗に通い詰めることで性感染症のリスクも高まります。

性感染症に対する恐怖やリスクを理解していたとしても性的快楽に負けて風俗通いをやめられない場合は、性依存症の可能性が高いでしょう。

浮気・不倫

浮気不倫も、強迫的性行動症に該当する可能性があります。

パートナーがいるにもかかわらず複数の相手と性的関係を持つことで、信頼関係や家庭生活が崩壊したり、性感染症にかかるリスクが高まったりします。

また、子どもがいる場合は、家族全体に大きな心理的影響を与え、子どもの健全な成長を阻害する可能性もあります。

こうしたリスクをわかっていながらも浮気や不倫がやめられない場合は、強迫的性行動症に分類される性依存症かもしれません。

過剰な自慰行為

性依存症で依存する対象は、相手のいる性行為だけでなく、自慰行為(マスターベーション)も含まれます。

例えば、職場のトイレで自慰行為がやめられず、バレて解雇されるリスクよりも目先の快感を優先してしまう場合は、強迫的性行動症に該当するかもしれません。

勘違いしがちですが、単純に性行為や自慰行為など性的な行動が好きなだけでは、性依存症とはいえません。

自慰行為をしてはいけないシチュエーションでも我慢できず行動に移してしまうのであれば、性依存症の可能性があります。

性依存症のよくある原因

指を指す医者

性依存症は、必ずしも性欲が強いから発症するわけではありません。

以下のように、性依存症の原因は人によって様々です。

性依存症のよくある原因

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思わぬ原因が性依存症の引き金になっている可能性もあるので、上記に当てはまる項目がないか確認しながら読み進めてみてください。

仕事や家庭でのストレスが溜まっている

日常生活における過度なストレスは、性依存症の原因となる可能性があります。

例えば、仕事での過剰なプレッシャーや家庭内の問題などによる精神的負担が蓄積する結果、ストレス解消の手段として性的行動に走ってしまうことがあるのです。

しかし、性的な快楽はあくまで一時的なものに過ぎず、根本的な問題解決にはなりません。

心が満たされず孤独や寂しさを感じている

精神的に満足しておらず心が満たされていないと感じることも、性依存症の原因となりえます。

自分の気持ちをオープンにできるような親しい家族や友人がいなかったり、プライベートで夢中になれる趣味や好きなことがなかったりすると、その孤独感や寂しさを埋めるために性的な行動を起こしてしまう可能性があるのです。

一度性的な行動を引き起こしてしまうと、承認欲求を満たし続けるために複数の相手と関係を持ってしまうなど行動がエスカレートし、性依存症が悪化する恐れがあるでしょう。

浮気・不倫や風俗での刺激的な性的快楽が忘れられない

浮気・不倫風俗で刺激的な性的快楽にハマってしまい、性依存症にまでエスカレートすることがあります。

性的な経験が豊富な方ほど、より刺激的な性的快楽を求めやすく、性依存症に陥りやすいとされています。

つまり、「もっと気持ち良くなりたい」という願望が性依存症の引き金となるのです。

仕事でストレスを抱えている、家庭で満たされない寂しさ・むなしさを抱えている方ほど、一度覚えた性的快楽を求めて、過剰な性的行動を繰り返す傾向があります。

不倫や浮気などの行為が成功するにつれて、スリルや達成感、高揚感が強くなって常態化し、性依存症に陥ることもあるのです。

恋愛経験がほとんどない

恋愛経験や性行為の経験が少ない方ほど、交際していることを一種のステータスだと感じて恋愛依存症に陥り、その延長で性依存症(セックス依存症)になりやすい傾向があります。

恋愛依存症とは、交際相手だけではなく、「付き合う」行為そのものに対して執着したり、固執したりする依存症です。

恋愛感情を持っている相手が傍らにいるときに充実感や安心感が得られ、逆に恋愛をしていないと空虚で満たされない状態になるのが特徴です。

恋愛依存症の延長として、寂しさや虚しさで情緒不安定となった精神状態を落ち着かせるため、性行為など特定の性的な行動に依存することがあります。

恋愛依存症が常態化し、悪化した状態が性依存症といえるかもしれません。

幼少期の環境に問題やトラウマがある

性依存症に悩んでいる方の多くには、幼少期の家庭環境に問題があった共通点が見られます。

幼少期に何かしらの問題やトラウマを抱えて育つことで自己肯定感が低くなり、承認欲求を満たす手段として性依存症の行動に走りやすくなる傾向があるのです。

例えば、家族からの虐待(性的虐待も含む)やネグレクト(育児放棄)、暴力などを受け、安心安全な家庭環境で過ごせなかった場合、見捨てられることに対して過剰な不安を抱きやすくなります。

また、家族の誰かがアルコールやギャンブルなどの依存症を発症していたり、親が不倫・浮気していたりなど、「小児期逆境体験」を経験していても同様のことが起こりえます。

このように、幼少期に家族や生活で困難な体験を多くしていると、性行為のときに「自分は受け入れられている」「自分は必要とされている」と錯覚しやすくなるのです。

結果として、性行為を行う相手が誰かはほとんど関係なく「誰かに必要とされたい」気持ちを満たすために性行為にのめり込み、性依存症を発症することがあります。

過去に性的虐待を受けた経験がある

過去に性的虐待を受けるなどして心に深い傷を負い、強い性的嫌悪感を持っている方でも性依存症に陥ることがあります。

性暴力や性犯罪の被害者になったとき「こんな目に遭った自分にはもう価値がない」「自分は汚い存在だ」と自暴自棄になりやすく、まるで自傷行為のように不特定多数の相手と性行為に及んでしまうことがあるのです。

自傷的な性行為が常態化すると、結果的に性依存症になってしまいます

性依存症の苦しみから抜け出すための治療方法

性依存症が重症になれば、他人への迷惑行為がエスカレートしたり、犯罪などを引き起こしたりする恐れがあります。

性的な行動を自分の意思でコントロールできなくなる性依存症の苦しみから抜け出すには、正しい対処法を実践する必要があるのです。

ただし、日本国内では性依存症の認知度は低いため、専門的な治療が受けられる病院やクリニックなどの医療機関が少ない現状があります。

そこで、性依存症の治療方法を解説します。

性依存症の主な治療方法

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今すぐできるものから専門的なサポートが必要なものまで幅広く紹介しているので、根本から性依存症を改善するためにもぜひ参考にしてみてください。

ストレスコーピングを実践する

ペットと遊ぶ男性

ストレスコーピングとは、ストレスに対処するセルフケアの一種です。
コーピング(Coping)は、日本語で「対処」を意味します。

性依存症の場合、過剰な性的行動がストレス解消の手段となっていることが多いため、健全なストレス対処法を知って習慣化することが重要です。

以下に、ストレスの対処法をまとめたコーピングリストの具体例を示しました。

コーピングリストの具体例

  • 深呼吸をする
  • 好きな音楽を聞く
  • ペットと遊ぶ
  • ウォーキングで体を動かす
  • 一人カラオケに行く
  • 親しい友人に悩みを聞いてもらう
  • マイナスな出来事をポジティブに捉えてみる

適切なストレスコーピングは、人によって異なります。

自分の心が喜ぶことや、直面している問題の根本的な解決に繋がりそうなアクションをできるだけ多く考えてみてください。

そして、性依存症の行動に走りそうになったときは、コーピングリストの内容から何か一つでも良いのでアクションを起こしてみましょう。

こうした取り組みを日常的に取り入れることで、性的行動に頼らずにストレスを解消できるようになり、性依存症が緩和していく可能性があります。

熱中できることや趣味を見つける

資格の勉強をする男性

現在の生活に満足できていない方は、何か熱中できることを探しましょう。

スポーツや資格の勉強、英会話など、自己肯定感を高められることでも良いですし、家で暇つぶしができる読書などの趣味でも良いでしょう。

ただし、熱中するといってもギャンブルやゲームなどはほかの依存症を招く恐れがあるため、避けてください。

健全な行動の中から熱中できることを探して意識的に取り組むだけでも、性依存症から脱却できる確率を高められます。

ありのままの自分で良いと知る

ありのままの自分を見せる男性

性依存症は自己肯定感の低さによっても引き起こされるため、自己肯定感を高めることが性依存症を治療する基本となります。

ありのままの自分を認めて、自分自身を好意的に捉えられれば、「自分なんかに価値はない」とは思わなくなるはずです。

そうすることで、自暴自棄になり自傷行為的に性的な行動に走ることは少なくなるでしょう。

自己肯定感を高めてありのままの自分で良いと知るコツは、今の日常生活の中にほんの些細な幸せを見つけることです。

「この食べ物おいしいな」「今日は良い天気だな」「今日も健康だな」など、日常生活の中にほんの小さな幸せを見つけるだけで良いのです。

無理に向上心を高めるなど、新しい試みをする必要はありません。

今の生活に満足できればおのずと自己肯定感を高められ、性依存症から抜け出しやすくなるはずです。

精神療法(カウンセリング)を受ける

医者と患者

性依存症は、認知行動療法などの精神療法(カウンセリング)を受けることで治療できます。

認知行動療法とは、抱えた問題を具体的に認知し、考え方や行動を少しずつ変えて問題の解決を目指す精神療法の一種です。

性依存症の方はストレスや不安、孤独感などを抱えていることが多いため、それらの感情を客観的に意識し対処することで、性依存症の解消に繋がることがあるのです。

専門医のカウンセリングを通して、問題となる考え方や行動をオープンにすることで、特定の性的な行動を回避する対処方法を身に付け、性依存症の脱却が期待できます。

認知行動療法の基本的な手順

  1. 特定の性的な行動への引き金となる原因をリスト化する
  2. 特定の性的な行動が起きたときの状況・感情を書き出す
  3. 特定の性的な行動を回避するための対処方法を準備する
  4. 特定の性的な行動を回避するための対処方法を実践する
  5. 新しい生活スタイルを作る

※医療機関によって実施する手順やプログラムは異なります

※当クリニックでは、「性依存症(セックス依存症)」に関する精神療法(カウンセリング)を行っていません

自助グループ(セルフヘルプグループ)に参加する

自助グループのミーティングを行う人たち

メンタルヘルス関連の自助グループ(セルフヘルプグループ)に参加することも、性依存症の治療には有効です。

性依存症の原因や特徴、治療方法などについて、同じような悩みを持つ患者同士で話し合い理解を深めることで、性依存症の解消に役立つ可能性があります。

例えば、性依存症がエスカレートした結果、「逮捕された」「会社をクビになった」「破産した」など他人の失敗経験を聞くことで、自分の置かれている状況を客観的に認識できるようになり、治療に向き合う姿勢が生まれやすくなるでしょう。

また、自分の経験を自助グループのミーティングで正直に話すことで、性依存症を抑えるストッパーとなり、徐々に症状の改善が期待できます。

薬物療法を受ける

薬の説明

性依存症を直接治療する医薬品は、いまだに開発されていません。

しかし、性欲や衝動、行動を抑制するために以下のような医薬品が用いられることがあります。

性依存症の薬物療法で用いられる医薬品の例

  • 抗うつ薬(抗不安薬)
  • 精神安定剤
  • 抗精神病薬(向精神薬)
  • 気分安定薬

必要に応じて前述の精神療法などの治療方法と薬物療法を併用することで、性欲が原因で引き起こされる性依存症であれば、薬理的に抑えられます。

性依存症とED(勃起不全)が併発する可能性もあり

勃起力不足で悩む男性

性依存症の程度や種類によっては、ED(勃起不全)が併発する可能性もあります。

性依存症とEDは、相反する問題のように思えるかもしれません。

しかし、刺激の強い性的快楽に溺れたり、インターネットポルノの視聴で自慰行為に過剰に没頭したりすると、通常の性的刺激では十分な興奮が得られなくなり、結果としてEDを引き起こすことがあるのです。

一方で、もともとEDで勃起力不足に悩む方が、その不安を解消するために過度な性的行動に走り、結果として性依存症に陥るケースも考えられます。

このように、性依存症とEDは同時に引き起こされる可能性があるため、症状の悪化を防ぐためにもどちらかの症状が見られた場合には早急な対応が必要です。

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まとめ〜性依存症をはじめとした性の悩みがあるなら専門医に相談しよう〜

性依存症(セックス依存症)は、必ずしも性欲の強い方が発症するわけではなく、誰にでも起こりうる疾患です。

自分や身近な方が「性依存症かも?」と思ったら、まず「性依存症セルフチェック」をしてみることをおすすめします。

また、性依存症とEDのどちらかの傾向が見られる場合、両者は併発する恐れがあります。

性依存症をはじめとした性の悩みは恥ずかしい問題や隠すべき問題だと思われがちですが、少しでも気になることがあれば早めに専門医に相談するとよいでしょう。

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