クリニックコラム

陰茎につける男性の性器ピアスは危険!感染症や射精障害のリスクが高まる【医師監修】

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陰茎につける男性の性器ピアスは危険!感染症や射精障害のリスクが高まる【医師監修】

皆さんは「性器ピアス」と呼ばれるピアスをご存知でしょうか。

一般的なピアスは、耳などに付けてファッションとしてお洒落を楽しむための物ですが、性器ピアスは、主に性行為の満足度を高めるために装着されます。

しかし、性器ピアスには様々なデメリットや危険性が潜んでおり、おすすめできません。

今回は、陰茎につける男性の性器ピアスの特徴やデメリット、危険性などについて解説します。

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性器ピアスとは?

ピアス

性器ピアスとは、その名の通り、性器の一部分に穴をあけて装飾品を付けるピアスのことです。
男性も女性も装着することができ、ボディピアスや身体改造の一種とされています。

ちなみに、性器ピアスの歴史は非常に古く、耳につける様な一般的なピアスと同様に古くから存在していました。
最古の記録によると、推定4世紀~5世紀頃に書かれた「カーマ・スートラ」というに古代インドの性愛論書に性器ピアスについての記述があると言われています。

性器ピアスは、単なる装飾具ではなく、性行為の際に自身やパートナーの性的快感や満足度を高める目的で使用されます。

男性の場合は、陰茎や亀頭などにピアスを付けることになります。
ただし、装着する部位によっては、ピアスを外して回復したとしてもピアス穴による傷跡が残ることがあります。

ボディピアスを専門に行う病院やクリニックなどの医療機関では、ピアスの形や部位によって異なりますが、1回1ヵ所につき約20,000円~(税込)で性器にピアスを付けることができます。

※当クリニックでは、「性器ピアス」に関する施術を行っていません

男性の性器ピアスを付ける部位

ピアスを付ける部位

男性の性器ピアスは、主に陰茎や亀頭などに付けることができます。
その際、ピアスを貫通させる方法や装着部位などによって名称が変わります。

男性の性器ピアスの付け方の名称は、以下の通りです。

男性の性器ピアスの付け方の名称

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アパドラビア・ピアッシング

アパドラビア・ピアッシング

アパドラビア・ピアッシング(Apadravya piercing)とは、亀頭の上下縦方向(垂直)に完全に貫通させ装着する性器ピアスのことです。
ほとんどの場合は、尿道を貫通するように中央に置かれますが、あえて若干中央から外すこともあります。

尿道を貫通するため、男性の性器ピアスの中でも最も痛く、辛い装着方法の一つとされています。
また、ピアス穴による傷口の回復には最大で約6ヵ月も必要になることがあります。

しかし、一度傷が癒えれば、ピアスが亀頭の内部組織を刺激するため、大きな性的快感を得られると言われています。
性行為の際には、ピアスの先端が女性の膣内の奥に接触する位置にあるため、パートナーの性的快感を向上させる効果も期待できます。

アンパラング・ピアッシング

アンパラング・ピアッシング

アンパラング・ピアッシング(Ampallang piercing)とは、亀頭の左右横方向(水平)に完全に貫通させ装着する性器ピアスのことです。
アパドラビア・ピアッシングと同様に、ほとんどの場合は、尿道を貫通するように中央に置かれますが、あえて若干中央から外すこともあります。

こちらも、尿道を貫通するため、男性の性器ピアスの中でも最も痛く、辛い装着方法の一つとされています。
また、ピアス穴による傷口の回復には最大で約6ヵ月も必要になることがあります。

しかし、一度傷が癒えれば、ピアスが亀頭の内部組織を刺激するため、大きな性的快感を得られると言われています。
性行為の際には、ピアスの先端が女性の膣内の奥に接触する位置にあるため、パートナーの性的快感を向上させる効果も期待できます。

マジック・クロス・ピアッシング

マジック・クロス・ピアッシング

マジック・クロス・ピアッシング(Magic Cross piercing)とは、アパドラビア・ピアッシングとアンパラング・ピアッシングを組み合わせて装着する性器ピアスのことです。
亀頭の上下縦方向(垂直)と左右横方向(水平)に完全に貫通させ、尿道を通り、十字を形成します。

アパドラビア・ピアッシングとアンパラング・ピアッシングをそれぞれ1回づつ行わなければならないため、痛みや辛さなども倍増することになります。

しかし、その分得られる性的快楽も倍増すると言われています。

プリンス・アルバート・ピアッシング

プリンス・アルバート・ピアッシング

プリンス・アルバート・ピアッシング(Prince Albert piercing)とは、包皮小帯(陰茎小帯)の外側から尿道口へ完全に貫通させ装着する性器ピアスのことです。
通常は、包皮小帯の中心にある神経束にピアス穴を開けます。

自慰行為(マスターベーション)や性行為の際に包皮小帯が刺激されやすくなるため、性的快楽が得られやすいと言われています。

プリンス・アルバート・ピアッシングは、他の性器ピアスより比較的出血が少ないのが特徴です。
そのため、ピアス穴を開けた後、傷口が約1ヵ月~2ヵ月と非常に早く回復する傾向があります。

リバース・プリンス・アルバート・ピアッシング

リバース・プリンス・アルバート・ピアッシング

リバース・プリンス・アルバート・ピアッシング(Reverse Prince Albert piercing)とは、、亀頭の上部から尿道口へ完全に貫通させ装着する性器ピアスのことです。

本質的には、アパドラビア・ピアッシングの一種とされています。
ただし、アパドラビア・ピアッシングの様に亀頭の上下縦方向(垂直)へ完全に貫通するわけではないので、比較的出血や痛みが少なくて済みます。

プリンス・アルバート・ピアッシングと異なり、亀頭を貫通するため、ピアス穴を開けた後は傷口の回復に時間がかかります。
ピアス穴による傷口の回復には最大で約6ヵ月は必要になるでしょう。

ダイドー・ピアッシング

ダイドー・ピアッシング

ダイドー・ピアッシング(Dydoe piercing)とは、亀頭表面から亀頭の冠部(カリ首)まで完全に貫通させ装着する性器ピアスのことです。

ダイドー・ピアッシングは複数装着することができます。
一般的に、1個だけの場合は、亀頭の冠部の中央に装着し、2個の場合は、左右対称に装着します。

また、いくつものダイドー・ピアッシングを亀頭に装着した場合は、「王冠(King's crown)」と呼ばれます。

フレナム・ピアッシング

フレナム・ピアッシング

フレナム・ピアッシング(Frenum piercing)とは、陰茎の裏側(裏スジ)に装着する性器ピアスのことです。
一般的には、包皮小帯やそのさらに下側に装着します。

包皮小帯に装着した場合は、自慰行為や性行為の際に包皮小帯が刺激されやすくなるため、性的快楽が得られやすくなります。

フレナム・ピアッシングは、他の性器ピアスより比較的出血が少ないのが特徴です。
そのため、ピアス穴を開けた後、傷口が約1ヵ月~2ヵ月と非常に早く回復する傾向があります。

フレナム・ラダー・ピアッシング

フレナム・ラダー・ピアッシング

フレナム・ラダー・ピアッシング(Frenum Ladder piercing)とは、フレナム・ピアッシングが連続して平行にいくつも装着する性器ピアスのことです。
海外では「悪魔の梯子(Devil’s Ladder)」や「ヤコブの梯子(Jacob's Ladder)」と呼ばれることもあります。

フレナム・ラダー・ピアッシングは、よりパートナーへの性的快楽を高めるために装着されることが多いとされています。

フレナム・ピアッシング同様、ピアス穴を開けた後、傷口は約1ヵ月~2ヵ月と非常に早く回復する傾向があります。

ローラム・ピアッシング

ローラム・ピアッシング

ローラム・ピアッシング(Lorum piercing)とは、陰茎と陰嚢の境目に水平に装着する性器ピアスのことです。
広義においては、フレナム・ピアッシングの一種とされています。

基本的に陰嚢の表面にピアスを装着するため、それほど深くピアス穴は開けられません。
そのため、ピアス穴を開けた後、傷口は約1ヵ月~2ヵ月と非常に早く回復する傾向があります。

ハファダ・ピアッシング

ハファダ・ピアッシング

ハファダ・ピアッシング(Hafada piercing)とは、陰嚢の上部に装着する性器ピアスのことです。
広義においては、フレナム・ピアッシングの一種とされています。

ローラム・ピアッシング同様、基本的に陰嚢の表面にピアスを装着するため、それほど深くピアス穴は開けられません。
そのため、ピアス穴を開けた後、傷口は約1ヵ月~2ヵ月と非常に早く回復する傾向があります。

ギーシュ・ピアッシング

ギーシュ・ピアッシング

ギーシュ・ピアッシング(Guiche piercing)とは、陰嚢と肛門の間(蟻の門渡り)に水平に装着する性器ピアスのことです。
広義においては、フレナム・ピアッシングの一種とされています。

基本的には、パートナーの女性を喜ばせるためではなく、装着した本人だけの性的快感を向上させる目的で使用されます。
ただし、装着する部位が肛門に近いため、衛生管理がとても重要となります。

ピュービック・ピアッシング

ピュービック・ピアッシング

ピュービック・ピアッシング(Pubic piercing)とは、陰茎上部の根元部分に水平に装着する性器ピアスのことです。

基本的には、装着した本人のためではなく、パートナーの女性を喜ばせる目的で使用されます。
性行為中に女性の陰核(クリトリス)に直接性的刺激を与え、性的快感を向上させることができます。

男性の性器ピアスを付けないほうが良い理由

注意する医者

当クリニックとしては、男性の性器ピアスは付けないほうが良いと考えています。
性的快楽の向上などを目的とした性器ピアスの装着は推奨できません。

なぜなら、性器ピアスの装着は、取り返しのつかない様々なデメリットや危険性を孕んでいるからです。

男性の性器ピアスを装着するデメリットや危険性は、以下の通りです。

男性の性器ピアスのデメリットや危険性

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パートナーが満足するとは限らない

冷めたカップル

性器ピアスは、一般的に理解されにくいものです。
必ずしも、パートナーが満足するとは限らないのです。

人によっては、外見がグロテスクに見えてしまうこともあり、抵抗感がある人もいるでしょう。
世界的に性器ピアス愛好家の数は増えてきていますが、どんなに理由を説明しても相手が理解を示してくれない可能性は高いと言えます。

また、ピアスの突出によって、性行為の際に女性が痛がることもあります。
膣内の粘膜を傷つけてしまったり、膣内への性的刺激が強すぎて、痛みや違和感を覚えることがあるのです。

その他、金属製のピアスの場合、口腔性交(オーラルセックス)の際に歯や口内を傷つけてダメージを与えてしまうこともあります。

性器ピアスを付けることで、「どんな女性も喜んでくれる!」と思い込まないように注意しましょう。

感染症を引き起こす可能性がある

ウイルス

性器ピアスの装着は、感染症を引き起こす可能性があります

装着するピアスは、人体に無害な素材で作られているので、基本的には害のないものです。

しかし、性器ピアスを装着する箇所によっては、陰茎や亀頭の粘膜を傷付けることになります。
ピアスの穴を開けた部位から細菌が入り込んで感染症を引き起こし、化膿による腫れや痛みなどのトラブルに繋がることがあるのです。

感染症が悪化し、陰茎の細胞組織が破壊された場合、ED(勃起不全)になってしまう可能性もゼロではありません。

性器ピアスの装着は、リスクの高い危険な行為だということを理解しておきましょう。

出血や痛みが止まらなくなる可能性がある

溶けたアイス

性器ピアスの装着によって、出血や痛みが止まらなくなる可能性があります

性器ピアスの装着場所によっては、ピアスの穴を貫通させる際に大量の出血を伴うことがあります。
その際、もちろん個人差はありますが、なかなか止血できず、日常生活に悪影響を及ぼすこともあるのです。

また、痛みを感じる神経にピアスが触れ続けることで、痛み続けることもあります。
陰茎に痛みを感じ続けてしまうと自慰行為や性行為どころではなくなってしまうでしょう。

さらに、陰茎の勃起に関わる血管や神経を傷付けてしまうとEDになってしまう可能性もゼロではありません。

射精障害を引き起こす可能性がある

射精障害のイメージ

性器ピアスは、陰茎の包皮小帯の様な性感帯にもなっている敏感な部位に装着することもできます。
しかし、基本的に性器ピアスは付けっぱなしになるため、常に刺激が与えられ続けると、通常の自慰行為や性行為による性的刺激では満足できなくなってしまうことがあります。

結果として「遅漏」や「膣内射精障害」などの射精障害を引き起こす可能性があるのです。

性器ピアスによって、より強い性的刺激や性的快楽を求め、性器ピアスを付け過ぎたりすると後戻りできなくなることもあるので、注意しましょう。

金属アレルギーを引き起こす可能性がある

股間を押さえる男性

性器ピアスは、基本的に付けっぱなしになるため、耐腐食性や耐アレルギー性の高い素材を使用しています。

しかし、人によっては、金属アレルギーを引き起こす可能性があります

金属アレルギーを引き起こしにくい素材を使用していても、絶対に安全安心とは言えないのです。
何事も相性があるので、男性の性器ピアスの装着は慎重に判断したほうが良いでしょう。

コンドームが破れる可能性がある

破けたコンドーム

性器ピアスによってコンドームが破れる可能性があるのも、重大なデメリットの一つと言えるでしょう。

陰茎から突出した性器ピアスが性行為中の摩擦によってコンドームを傷付け、破れやすくしてしまうのです。

また、性器ピアスの種類や装着方法によっては、そもそもコンドームをまともに装着することさえできない場合もあります。
避妊や性感染症を予防したい方にとっては、大きなデメリットとなることは覚えておいた方が良いでしょう。

性器ピアス装着後すぐに性行為ができない

抱き合うカップル

性器ピアス装着後は、すぐに性行為をすることはできません

ピアスを装着する部位や個数、個人差などによって性行為ができない期間は変動します。
約1ヵ月~6ヶ月、最大で1年間は通常の性行為はもちろん、口腔性交や自慰行為なども控えなければなりません。

性感染症などのリスクが高まる恐れもあるので、必ずこの期間中は禁欲する必要があります。
人間の膣内や口内は雑菌が多いので、ピアス穴による傷跡がしっかりと治っていない状態で触れるのは、衛生的に良くないのです。

献血ができなくなる可能性がある

献血のイメージ

性器ピアスに限らず、ピアスの穴を開けた方は献血ができなくなる可能性があります

献血などの血液事業を行っている日本赤十字社は、「献血をご遠慮いただく場合」として、以下の様なルールを定めています。

医療機関等で、あるいは使い捨ての器具で穴をあけた方は、穴をあけた場所の状態にもよりますが、細菌等が感染している危険性があると判断し、最低1カ月間献血をご遠慮いただいております。
その他の場合(友人同士などで安全ピンや針を共用して穴をあけた方など)は、エイズ、B型肝炎およびC型肝炎などのウイルスが血液を介して感染している可能性を考慮して、6カ月間献血をご遠慮いただいています。
また、口唇、口腔、鼻腔など粘膜を貫通してピアスを挿入している場合は、献血をご遠慮いただいています。

つまり、6ヵ月以内にピアスの穴を開けた方は、基本的に献血ができないということです。

また、粘膜を貫通してピアスを装着している場合は、献血自体ができなくなります。
性器ピアスの装着部位によっては、陰茎や亀頭の粘膜を貫通させることがあるので、そういった場合は献血ができなくなってしまうのです。

献血を受けると血液検査が無料でできたり、体内の老廃物を出すデトックス効果が得られます。
献血が趣味の方など、人によっては献血による恩恵を受けられなくなるので、デメリットとなりえるでしょう。

まとめ~性器ピアスは危険性が高い~

性器ピアスによって、性行為や自慰行為の際に性的快感や満足度が向上することがあるかもしれません。

しかし、そういったメリット以上にデメリットが多く、危険性が高いと言わざるを得ません。
射精障害やEDになってしまうと取り返しがつかなくなることもあります。

もし、性器ピアスを装着したいと思っても安易に行わず、デメリットや危険性について理解した上で十分に検討し、実施するようにしましょう。

性器ピアスは非常に危険性が高いものです。
普通のピアスの様にファッション目的など軽い気持ちで装着しないでください。

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