夏になると心配になる「熱中症」ですが、実は意外にもED(勃起不全)を引き起こす原因になると言われています。
極端に暑い日や湿度の高い日は、新陳代謝が活発になりやすく、体外に汗を出し過ぎて「脱水症状」を引き起こすことがあります。
この熱中症による脱水症状がEDを招く可能性に繋がるのです。
今回は、熱中症による脱水症状がEDを引き起こすメカニズムなどについて解説します。
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熱中症とは?
熱中症とは、「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」とされています。
簡単に言えば、暑い環境に体が適応できず発生する様々な症状の総称のことです。
なので、「暑熱環境」という状況下で引き起こされた何らかの体調不良は、全て熱中症の可能性があります。
通常、人は発汗などにより体温調節を行っています。
しかし、気温が高い場所や湿度が高い場所などに長くいると体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、熱中症を発症します。
熱中症の分類
また、熱中症は、病態や対処方法などの違いによっては以下の様に分類されることもあります。
熱中症の分類
- 熱失神
- 熱痙攣
- 熱疲労
- 熱射病
呼び方は異なりますが、どれも熱中症の一つです。
熱中症の重症度
重症度によって以下の3つの段階に分けられます。
分類上「Ⅰ度⇨Ⅱ度⇨Ⅲ度」と症状が進むにつれて、重症化していきます。
Ⅱ度やⅢ度まで進行すると、生命の危機に繋がる様な重篤な症状になることも少なくありません。
せめて、熱中症の症状がⅠ度のうちに、何らかの対策を講じたほうが良いでしょう。
熱中症を起こしやすい場所
以下の様な場所では、熱中症を起こしやすいとされています。
熱中症を起こしやすい場所
- 気温が高い場所
- 湿度が高い場所
- 日差しが強い場所
- 風通しが悪い場所
- 照り返しが強い場所
- 急激に気温が上昇する場所
- etc...
上記のような場所には、長時間滞在しないようにしましょう。
脱水症状がEDを引き起こす
人の体は、約0.9%の食塩水と同じ浸透圧の血液が常に循環しています。
また、人の汗にも、塩分(ナトリウム)が含まれています。
大量に汗をかいて、ナトリウムが失われた状態で水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄まってしまうため、ナトリウム濃度を下げないように水を飲む気持ちがなくなります。
同時に余分な水分は尿として排泄されます。
これが「自発的脱水症」と呼ばれるものです。
自発的脱水症状態になると汗をかく前の体液量まで回復できなくなり、運動能力が低下したり、体温が上昇して、熱中症の原因となります。
そして、脱水症状を起こしていると血液がドロドロになるため、血流が悪くなります。
体の様々な器官への血流が悪化するので、陰茎への血流が悪化すれば、ED(勃起不全)を引き起こしてしまうのです。
EDの原因の一つは、陰茎海綿体内にある毛細血管の血液不足です。
脱水症状がきっかけとなり、勃起できなくなるのはこのためです。
本来、熱中症によるEDは脱水症状を引き起こしている間の一時的なものです。
しかし、血液がドロドロになるため、過度に血管にダメージを与えてしまうと長期的な「器質性ED」に繋がる可能性もあります。
脱水症状下ではED治療薬の効果が薄れる
ED治療において、熱中症による脱水症状は天敵となります。
脱水症を引き起こしていると陰茎海綿体に流れる血液を十分確保できないため、バイアグラなどのED治療薬を服用したとしても、あまり効果が得られないことがあります。
そもそも、脱水症状が出るほどの熱中症になるとほとんどの場合は、性行為どころではないかもしれません。
熱中症による脱水症状を避ける方法
熱中症は、なかなか自覚しにくい病態なので、気が付かないうちにEDになってしまうこともあります。
そもそも、熱中症自体が、重症化すると死に至る可能性のある危険な疾患なので、注意するに越したことはありません。
熱中症にならないために、普段から以下の様な事に気を付けましょう。
脱水症状の予防方法
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こまめに水分補給する
暑い日や湿度が高い日は、室内外を問わず、じわじわと汗をかいてしまいます。
脱水症状が始まるときは、喉の渇きを感じにくいため、体があまり水分を欲しません。
「喉が渇いた」と感じていなくても、日頃からこまめに水分補給することを心がけましょう。
水分補給は、体温に近い常温水の方が吸収がよく、効率的と言われています。
体を冷やす必要が無い時は、1日約8回に分けて、こまめに水分補給すると良いでしょう。
水分だけでなく塩分や糖分も補給する
汗は水分と一緒に塩分(ナトリウム)も失われているため、スポーツドリンクの様なナトリウムを含んだ飲料水を飲むのがおすすめです。
日本スポーツ協会では、熱中症対策に「0.1%~0.2%の塩分(ナトリウム:40mg~80mg/100mL)」と「約4%~8%の糖分」を含んだ飲料による水分補給を推奨しています。
特に、1時間以上の運動をした場合は、塩分や糖分を含む水分を補給するようにしましょう。
とにかく暑さを避ける
日差しが強い日や暑い日は、極力外出を控えたほうが良いでしょう。
どうしても外出が必要な場合は、日傘や帽子で直射日光をできるだけ避けましょう。
また、衣類に吸汗素材や速乾素材を取り入れたり、熱を反射する白色系の服装を取り入れることも有効です。
外部からの熱の吸収を抑え、体内の熱をスムーズに逃がせる服装が理想的です。
室内で過ごす場合は、ブラインドやすだれなどで直射日光を遮り、エアコンや扇風機で部屋の温度と湿度を下げ、一定に保つようにしましょう。
その他、氷嚢で首元や脇の下、太ももの付け根を冷やし、体温を下げるのも効果的です。
暑さに強い体作り
暑さに強い体作りも熱中症による脱水症状を避ける方法の一つです。
ウォーキングやランニングなどの運動で汗をかく習慣を身につけ、暑さに対しての耐性を獲得しましょう。
日頃から暑さに体を慣らしておけば、熱中症になりづらくなるはずです。
冬の熱中症にも注意
実は、熱中症は暑い日や炎天下特有のものではありません。
太陽が出ている日中以外にも、湿気の高くなりがちな曇りの日や夜間、屋内でも発症する可能性があるのです。
体内の熱を体外にうまく放出できなかったり、体を冷やせない状況にあるときは、だれでも、いつでも、どこでも注意が必要です。
そのため、条件が揃えば冬でも熱中症になることがあります。
冬の脱水症状は気づきにくい
冬は、夏よりも熱中症による脱水症状に気づきにくくなります。
その原因は、ズバリ「乾燥」にあります。
体液(体の水分)は、汗や尿以外にも皮膚から水分が蒸発することでも外に出ていきます。
湿度が低く、乾燥する冬の季節は、この水分蒸発が進むため、より体液が失われやすくなります。
また、暑い夏に比べると喉の渇きを感じにくくなるため、水分補給の回数が少なくなりがちになります。
そして、暖房の効いた室内では乾燥が進み、より体から水分が失われやすくなってしまうのです。
体の外へと出ていく水分が多く、体の中に補給される水分が少なくなると、体液が不足しやすくなります。
そうなると、気がつかないうちにじわじわと体の水分が奪われて、血液がドロドロになっていきます。
結果として、陰茎海綿体の毛細血管まで血液が行かなくなり、EDを引き起こしてしまうのです。
まとめ~こまめに水分補給する癖をつけよう~
熱中症は、誰でも、いつでも、どこでも引き起こされる可能性のある疾患だということを覚えておきましょう。
熱中症にならないようにこまめに水分補給する癖をつけることが大切です。
EDを予防したいなら尚更です。
熱中症に至るほどではない軽い脱水症状でも、血液はドロドロになっているかもしれません。
血管を傷つけてしまい、器質性EDを引き起こさないために脱水症状にも気を付けて生活するようにしてください。
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