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新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)に感染するとEDのリスクが上昇する!?【医師監修】

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新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)に感染するとEDのリスクが上昇する!?【医師監修】

未だに世間を騒がせている新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)ですが、男性にとって見過ごせない後遺症が発見されてきています。

新型コロナの後遺症と言えば「倦怠感」や「味覚障害」、「嗅覚障害」、「脱毛」などが有名ですが、これだけではないようです。

男性が新型コロナに感染すると、男性機能にも様々な影響を与えることが確認されているのです。
新型コロナに感染後、命に別状がなかったとしてもED(勃起不全)などを後遺症として発症し、苦しむ可能性があります。

今回は、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)に感染すると男性機能にどういった影響があるのか解説します。

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新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)とは?

コロナウイルス

新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)とは、「SARS-CoV-2」というウイルス(病原体)によって引き起こされる感染症です。
日本国内では、「新型コロナ」と略して呼ばれています。

SARS-CoV-2は、2019年12月に中国の湖北省武漢市で初めて発見され、その後全世界に前例のないスピードで感染が急拡大しました。
日本国内では、SARS-CoV-2のことを「新型コロナウイルス」と呼んでいます。

性別や年齢を問わず、誰もが新型コロナウイルスに感染する可能性がありますが、感染後の症状は人によって様々です。
ほとんどの場合、新型コロナウイルスに感染しても軽度から中等度の呼吸器疾患を発症するだけで、特別な治療をしなくても自然回復します。

しかし、重症化すると集中治療が必要な場合もあり、時には死亡する可能性があります。
特に、高齢者や心血管疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患、がんなどの基礎疾患を持っている方は、重症化するリスクが高くなるとされています。

2022年4月までに世界で感染が確認された人は、約5億人で、死亡者は約615万人となっています。
日本国内だけでも、約673万人が感染し、約2万8千人が死亡しています。

現在でも、依然として新型コロナは世界的に猛威を振るい続けています。

新型コロナ感染による男性機能への影響

具合の悪い男性

新型コロナは、長期間に渡って後遺症が続く感染症と言われています。
とある調査では、新型コロナウイルスに感染後、回復したにも関わらず約1年以上経過しても何らかの後遺症を抱え、以前の状態に戻れないことが示されています。

新型コロナの後遺症と言えば、「倦怠感」や「頭痛」、「咳」、「息切れ(息苦しさ)」、「微熱(発熱)」、「味覚障害」、「嗅覚障害」、「脱毛」などが有名です。
これらの後遺症を発症するメカニズムは完全に解明されていませんが、要因の一つに血管へのダメージによる血栓の形成が関係していると言われています。

新型コロナウイルス自体が肺を通って血管内に入り込み、血管を直接攻撃することで血栓が作られる可能性が報告されています。
血管内皮細胞の表面に新型コロナウイルスが接着すると、炎症を引き起こし、血管が傷つくので、血栓ができてしまうのです。

新型コロナウイルスによる血管の損傷は、陰茎の勃起に関わる男性機能にも大きな影響を与えます。

新型コロナ感染による男性機能への影響は、以下の様な症状が報告されています。

新型コロナの後遺症

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ED(勃起不全)発症のリスクが高まる

EDのイメージ

新型コロナの様々な症状は、血管内皮細胞に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が感染して引き起こされる血管障害によるものであることが分かっています。

血管内皮細胞の表面には、「ACE2(Angiotensin-converting enzyme 2:アンジオテンシン変換酵素2)」という受容体タンパク質が存在しています。
新型コロナウイルスの表面にある突起(スパイク)がこのACE2と結合することで感染に至ります。

本来、血管内皮細胞は、血管を拡張させる「一酸化窒素(Nitric Oxide:NO)」や逆に血管を収縮させる「エンドセリン(Endothelin:ET)」など血管に働きかける物質を数多く分泌しています。

そして、陰茎の勃起は性的刺激が神経を通って伝達され、陰茎海綿体内に存在する「一酸化窒素合成酵素(Nitric Oxide Synthase:NOS)」という酵素を活性化させることで一酸化窒素を産生して始まります。
一酸化窒素の働きにより陰茎海綿体の平滑筋が弛緩し、陰茎深動脈やラセン動脈などの血管が拡張すると陰茎海綿体への血流が増加して勃起が促されるのです。

しかし、新型コロナウイルスに感染してしまうと、ウイルスの侵入結合時や増殖時に血管内皮細胞を傷つけ、一酸化窒素の産生に関わる一酸化窒素合成酵素の量が減少してしまいます。
この現象は、動脈や静脈、毛細血管などあらゆる血管内で生じる可能性があり、「末梢循環不全」や「血栓症」を引き起こす原因になります。

同様のことが陰茎などの勃起に関わる血管で生じると、血管の拡張性が失われたり、血流が低下する可能性があり、ED(勃起不全)の発症に繋がります

陰茎は、体の中でも血管が多い器官の1つなので、新型コロナウイルスによる血管障害の影響を受けやすくなっています。
とある調査では、新型コロナウイルスに感染後、「ED発症のリスクが約6倍も高くなった」という報告があります。

また、陰茎内の毛細血管に損傷が見られ、性行為が不可能なレベルのEDを発症したケースも報告されています。

新型コロナ感染によってED発症のリスクが高まると言えるでしょう。

他にも、新型コロナの後遺症が長期間続いている方は、血管の損傷が全身に及び、更なる血液循環の悪化や血液中の酸素濃度の低下を引き起こし、「倦怠感」や「味覚障害」、「嗅覚障害」などの症状だけでなく、「ED」も深刻化する可能性があると覚えておく必要があります。

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陰茎のサイズが縮小する可能性がある

小さくなるイメージ

新型コロナウイルスは、陰茎の血管内皮組織からも発見されており、ED以外にも複数の研究機関において、性行為に影響を及ぼす様な後遺症が報告されています。
その一つに、陰茎サイズが縮小するという症状が確認されています。

血液は細胞に酸素や栄養を送っているので、新型コロナウイルスによって陰茎の血管が収縮したり、毛細血管が傷ついて血液が循環しにくくなると、酸素や栄養が届きにくくなり、陰茎サイズが小さくなることは十分考えられます。
そもそも、陰茎海綿体は毛細血管の集合体の様な構造をしているので、血管が損傷して血流が悪くなると膨張率が低下し、勃起時の陰茎サイズも小さくなります。

新型コロナ感染によって血管が損傷した場合、陰茎のサイズが縮小する可能性はゼロではないと言えるでしょう。

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性欲が減退する可能性がある

不仲なカップル

新型コロナウイルスは、精巣内でも発見されています。

精巣は、新型コロナウイルスに限らず、ウイルスにとって絶好の隠れ家とされており、眼や中枢神経系と同様に人体の免疫機能から逃れられる場所として知られています。

実際に、これらの部位では、「エボラ出血熱(エボラウイルス)」や「おたふくかぜ(ムンプスウイルス)」、「ジカウイルス感染症(ジカウイルス)」などのウイルスが精巣内に留まり、体内の他の部位からウイルスが排除された後も免疫機能から逃れ続けることが確認されています。
精巣が新型コロナウイルスの「貯蔵庫」の様な役割を担ってしまったとしても不思議ではありません。

そして、新型コロナウイルスが精巣の精細管の付近にあるライディッヒ細胞に感染すると、そこで産生される男性ホルモンの一種である「テストステロン」の分泌量が低下してしまいます。

テストステロンの低下は、単純に男性機能が低下するだけでなく、「性欲の減退」や「倦怠感」などを招きます。

また、身体面の物理的な影響だけでなく、新型コロナ特有の精神(メンタル)面への影響も無視できません。

新型コロナウイルスの急激な感染拡大の影響は、仕事や家庭などの環境に大きな変化を引き起こしました。
新型コロナウイルスの実態が解明されない日々が続き、いつ収束するかも分からず、先の見通しもつかない状況が長期間続いていたことは記憶に新しいと思います。
不安や環境の大きな変化によるストレスにさらされ続けた結果、うつ病などの精神疾患を発症してしまう方が多く見られました。

うつ病は、「心因性ED」の発症原因にもなり、直接影響することもあります。

心因性EDを発症し、性行為に対して前向きになれなくなり、結果的に性欲が減退することも十分考えられます。

いずれにせよ、新型コロナ感染によって性欲が減退する可能性があるということは覚えておきましょう。

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精子の質や量に影響を与える可能性がある

精子

新型コロナウイルスは、精巣を損傷させ、睾丸の痛みや腫れを引き起こすことも指摘されています。
精巣の損傷は、精子の質や量に影響を与える可能性があります

とある研究では、新型コロナウイルス感染後の重症度が高いほど精子の状態が悪くなり、集中治療室(ICU)に入院した重症患者が「無精子症」になったという報告もあります。
さらに、無精子症に至らない場合でも精子の質や運動能力が低下していたことが確認されています。

長期間、精巣内に新型コロナウイルスが留まり続けたなら、精子に何らかの影響を及ぼしたとしても不思議ではありません。

まとめ~ED予防のためにも感染予防が大切~

そもそも、新型コロナの感染自体が嫌ですが、さらにEDを発症するリスクが高まるというのも困ります。
EDを発症しないためにも、日頃の手指の消毒やマスクの着用、ソーシャルディスタンスなどの感染症対策を徹底することが大切です。

ワクチンの接種が済んでいない方は、速やかに接種を受けることをおすすめします。

しかし、新型コロナが男性機能に与える研究は始まったばかりで、まだまだ追跡調査や傾向分析などの段階と言えます。
新型コロナウイルスが男性機能に及ぼす影響の完全解明には更なる研究が必要でしょう。

我々は、専門の研究者達による続報を待つことにしましょう。

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