抗不安薬(精神安定剤)がEDに効果をもたらすこともあれば、かえってEDを引き起こすこともあることをご存知でしょうか。
EDの原因はさまざまですが、なかでも不安や緊張といった精神的な要因による「心因性ED」には、抗不安薬が有効に働く可能性があります。
一方で、抗不安薬の種類や使い方によっては、かえってEDを引き起こしたり、症状を悪化させたりするケースもあります。
今回は、EDの改善が期待できる抗不安薬の種類・効果に加えて、注意点や抗不安薬とED治療薬の飲み合わせについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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抗不安薬で心因性EDの改善が期待できる
心因性EDとは、器質的な異常が認められないにもかかわらず、不安・緊張・ストレスなどの精神的な要因によって勃起が困難になる状態です。
抗不安薬は、心因性EDに対して改善の一助となる可能性があります。
抗不安薬とEDの関係
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不安・緊張がEDを誘発するメカニズム
性行為時に正常な勃起が得られるかどうかは、精神的な状態が大きく影響しています。
そもそも、勃起とは性的刺激をきっかけに、脳から神経を介して陰茎へ信号が伝わることで起こる現象です。
この信号の伝達には、自律神経のうち「副交感神経」が深く関わっています。
ところが、強い不安や緊張を感じているとき、身体は「交感神経」が優位な状態になります。
交感神経は、いわば身体を戦闘モードにする神経です。
活性化すると副交感神経の働きが抑制されるため、勃起が起きにくくなります。
慢性的に精神が不安定な状態であるだけでなく、性行為に対して「失敗したらどうしよう」「うまくできるだろうか」といった不安を感じることも、交感神経を優位にし、心因性EDを誘発します。

抗不安薬によるED改善が期待できる方の特徴
抗不安薬は、すべてのEDに有効なわけではありません。
心因性EDのなかでも、特に以下のような特徴がある方に対して、改善が期待できます。
抗不安薬によるED改善が期待できる方の特徴
- 性行為中に「失敗したらどうしよう」と焦ってしまう方
- 仕事や家庭のストレスを抱えたまま性行為に臨むことが多い方
- 過去に性行為がうまくいかなかった経験から、強い緊張を感じる方
- ED治療薬を服用しても、精神的な緊張から十分な効果を感じにくい方
こうした不安や緊張を抗不安薬で和らげることで、勃起しやすい状態を整える効果が期待できます。
抗不安薬の主な種類とEDに期待される効果
抗不安薬は、大きく「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」「セロトニン作動性抗不安薬」の2種類に分類されます。
いずれも脳の興奮を抑えることで、不安や緊張などに関連する精神的症状を治療する薬剤です。
日常的な不安や緊張が継続・増強し、生活に支障をきたす場合に、医師の判断の下で処方されます。
抗不安薬の主な種類
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ベンゾジアゼピン系抗不安薬(デパス・エチゾラムなど)
デパス(エチゾラム)などのベンゾジアゼピン系抗不安薬は、脳内のベンゾジアゼピン(BZD)受容体に作用することで、不安・緊張・抑うつなどの精神症状を和らげる薬剤です。
強力な抗不安作用があるので、日常生活に支障が出るほど不安や緊張が強く症状として現れる心身症に使用されます。
心因性EDに対しては、性行為前の強い緊張や不安を和らげることで、副交感神経が働きやすい状態を整え、勃起しやすくする効果が期待できます。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬(有効成分)の例
- デパス(エチゾラム)
- ソラナックス(アルプラゾラム)
- コンスタン(アルプラゾラム)
- セルシン(ジアゼパム)
- ホリゾン(ジアゼパム)
- リーゼ(クロチアゼパム)
- グランダキシン(トフィソパム)
- レスミット(メダゼパム)
- ワイパックス(ロラゼパム)
- レキソタン(ブロマゼパム)
- バランス(クロルジアゼポキシド)
- コントール(クロルジアゼポキシド)
- メンドン(クロラゼプ酸二カリウム)
- メイラックス(ロフラゼプ酸エチル)
セロトニン作動性抗不安薬(セディールなど)
セディールなどのセロトニン作動性抗不安薬は、脳内のセロトニンの働きを調節することで、不安障害や心身症などにおける不安・抑うつ・焦燥・睡眠障害などを和らげる薬剤です。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬に比べて即効性や抗不安作用が穏やかなため、第一選択薬として使用されることは多くありません。
心因性EDに対しては、効果の発現にある程度の期間を要しますが、長期的に精神状態を安定させることで、性行為への不安を継続的に和らげる効果が期待できます。
抗不安薬をED治療に用いる際の注意点
抗不安薬は副作用や依存性のリスクを伴う治療薬であり、ED改善を目的として使用する場合も医師の判断が不可欠です。
抗不安薬をED治療に用いる際の注意点
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医師の指示なしに使用しない
抗不安薬は自己判断での使用は避けるべき薬剤であり、以下のような副作用が現れる可能性があります。
抗不安薬の主な副作用
- 倦怠感・脱力感・疲労感
- 筋弛緩
- 発汗
- 眠気
- 頭痛
- めまい
- 血圧低下
- 吐き気
※抗不安薬の種類によって副作用の内容は異なります
多くの抗不安薬で報告される代表的な副作用は、眠気や脱力感です。
鎮静作用や筋弛緩作用によって引き起こされるものであり、ED改善を目的で服用したとしても、性行為時に副作用が現れ逆効果となってしまう可能性があります。
また、頭痛・めまい・吐き気などの副作用が現れることもあります。
ED改善を目的として抗不安薬の使用を検討する場合は、かかりつけ医またはED専門クリニックに相談のうえ、医師の判断の下で使用してください。
受診の際は、現在服用中の薬剤を必ず申告してください。
種類によっては薬剤耐性や依存性が生じる可能性がある
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、不安を抑える作用が比較的強い一方で、用量・期間によっては薬剤耐性や依存性が生じる可能性があります。
薬剤耐性とは、身体が薬剤に慣れることで同じ量では効果が得られにくくなり、より多くの量が必要になっていく状態です。
依存性とは、薬剤を服用しないとかえって不安や不調を感じるようになり、服用をやめられなくなる状態です。
抗不安薬にはこうしたリスクがあるため、医師が指示した用量・期間を守って使用する必要があります。
一般的に、セロトニン作動性抗不安薬はベンゾジアゼピン系抗不安薬と比べて薬剤耐性や依存性が生じにくいとされています。
リラックスし過ぎて逆効果になる可能性がある
前述のとおり、抗不安薬には眠気や脱力感といった副作用があります。
こうした鎮静・脱力の副作用が強く現れると、性的興奮や性欲が生じにくくなり、勃起が困難になる場合があります。
副作用には個人差があるため、用量や服用タイミングについては必ず医師に相談してください。
抗不安薬とED治療薬の併用が検討されるケース
抗不安薬とED治療薬は、併用が禁止されている組み合わせではありません。
両者を組み合わせることでED改善が期待できるケースがあります。
抗不安薬とED治療薬の併用が検討されるケース
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当クリニックでは、精神的な問題の関与が強い方には、抗不安薬(精神安定剤)を1錠100円(税込)にて処方しています。
気になる方は、お気軽にご相談ください。
抗不安薬を服用しても勃起力が不十分な場合
抗不安薬の服用によって不安や緊張が和らいでも、勃起力が十分に回復しない場合があります。
心因性EDであっても、精神的な要因だけでなく、血流や神経など身体的な要因が複合しているケースは珍しくありません。
このような場合、抗不安薬で不安・緊張を和らげた状態で、バイアグラ・レビトラ・シアリスなどのED治療薬を併用することで、EDの改善が期待できます。
抗不安薬とED治療薬の併用を検討する際は、服用中の抗不安薬の種類・用量をED専門外来の医師に伝え、ED治療薬との併用が可能か相談してください。
服用中の薬剤情報を基に、医師が適切な治療方針を提案します。


薬剤性EDを引き起こしている可能性がある場合
抗不安薬の種類・使用期間・使用量などの状況によっては、薬剤性EDを引き起こす可能性があります。
ただし、自己判断で服薬を中断することは避けてください。
急激な中断により、精神疾患の症状が悪化したり、離脱症状が現れたりするリスクがあります。
まずは精神科や心療内科の主治医にEDの症状が生じていることを伝え、服用中の薬剤との関連や対処法について相談することが第一歩です。
また、ED専門外来の医師に相談することで、ED治療薬との併用についても検討できます。
一般的に、抗不安薬とED治療薬の間に併用禁忌はないとされていますが、個々の薬剤の組み合わせは医師が判断します。
主治医とEDクリニックの医師が情報を共有しながら治療方針を決めることが重要です。


まとめ~抗不安薬で心因性EDの改善が期待!ED治療薬との併用も可能~
抗不安薬によって、精神面が原因で生じる「心因性ED」の改善が期待されます。
1つの治療法で改善が見られない場合でも、抗不安薬とED治療薬の併用など、複数のアプローチを検討できます。
EDでお悩みの方は、まず医療機関を受診し、医師に相談することをおすすめします。
当クリニックでは、EDの原因や症状に応じて、患者さま一人ひとりに合った治療法をご提案しています。


スタッフより
クリニックコラムをお読みいただきありがとうございます!
いかがでしたでしょうか、参考にはなったでしょうか?
いま、なんらかの症状でお悩みのそこのあなた!
一人で悩まず、まずはご相談ください。



