皆さんは、最近「インポ」や「インポテンツ」という言葉を聞かなくなったと思いませんか。
実は、その印象は間違っていません。
現在は、勃起できない症状などのことを「ED(勃起不全)」と呼んでいます。
「ED」と「インポ(インポテンツ)」はどちらも同じ意味の言葉と思われがちですが、実は少し違う意味を持っているのです。
そこにインポやインポテンツという言葉が使われなくなった理由があります。
今回は、インポ(インポテンツ)という言葉が使われなくなった理由について解説します。
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インポとは?
インポとは、「インポテンツ」や「インポテンス」の略称で、ドイツ語の「impotentz」、または英語の「impotence」から由来し、主に「性的不能」を意味する言葉です。
日本国内の泌尿器科の専門誌などでは、以下の様に定義されています。
性欲、勃起、性交、射精、極致感のいずれか一つ以上が欠けるか、もしくは不十分な状態
インポという言葉が示す概念や該当する症状の範囲は広く、かつては現在の「性行為(主に性交)を行うことが困難な状態」を指す、「性機能障害(Sexual Dysfunction:SD)」にあたる意味合いで使用されていました。
現在では、性機能障害の一種である「ED(勃起不全)」としての意味合いが強いとされています。
ちなみに、英語ではなくドイツ語の「インポテンツ」が使用されていた理由は、日本が明治時代に西洋の医学や医療技術を取り入れ始めた時、主にドイツ医学を参考にしていたため、その名残りが影響しているからと言われています。
現在でも使用されている日本の医学用語(医療用語)には、「カルテ(Karte)」「カテーテル(Katheter)」「ギプス(Gips)」「アレルギー(Allergie)」「チアノーゼ(Zyanose)」などの言葉があり、これらも全てドイツ語を語源とする外来語です。
インポとEDの違い
EDという言葉は英語の「Erectile Dysfunction」を省略した言葉で、日本語では「勃起不全」や「勃起障害」などと訳されます。
EDは、インポに込められた広い概念や症状の内、勃起機能にフォーカスした言葉となっているのです。
また、単純に勃起が困難だったり、勃起時の硬度不足だけを指すものではなく、勃起を維持できる時間なども診断基準に含まれます。
そのため、性行為の途中で勃起を維持できなかったり、最後まで行えない、いわゆる「中折れ」もEDの症状の一つとなります。
EDはあくまでも「勃起機能の低下」が主な症状であり、生活習慣の改善やED治療薬の服用などによって勃起できる状態に戻すことができます。
そういう意味では、不可逆的な性的不能を意味するインポテンツとは似て非なる疾患だと言えます。
インポは差別用語とみなされている
現在、「インポ(インポテンツ/インポテンス)」といった言葉は差別用語とみなされています。
インポが差別的な言葉であると認識されるようになったのは、その言葉が表す概念が広過ぎるからと言われています。
かつて、インポという言葉は「男性機能の完全な喪失」を意味していました。
これは、単に勃起ができないことを意味するのではなく、「治らない」「子供が作れない」「性的不能」などといった症状が含まれていたからです。
そして、「子供が作れない性的不能者」という概念が徐々に「能力が低い」「役立たず」など最終的に個人の人格を否定する侮辱的な意味合いで使用されるようになっていったのです。
皆さんも映画やドラマ、マンガなどで「この役立たずのインポ野郎!」などと相手を侮蔑する様なシーンをご覧になったことがあるのではないでしょうか。
しかし、このような偏見を含む言葉は、医学用語には相応しくありません。
海外では、差別用語にあたるとして、徐々に医学業界(医療業界)での使用頻度は減少していきました。
これに伴い、日本国内でもインポという言葉は徐々に使用されなくなっていったのです。
1995年には、EDなどの性機能障害の研究および隣接科学の進歩や普及を目的とする学会「日本インポテンス学会」が「日本性機能学会(現:一般社団法人日本性機能学会)」に改称するといった動きも見られました。
そのようなことから医学業界では、インポという言葉は使用せず、「ED(Erectile Dysfunction:勃起不全)」と表記するようになったのです。
もちろん、病院やクリニックなどの医療機関で「インポ」という病名になったり、「インポ外来(インポテンツ外来/インポテンス外来)」などと呼称することもありません。
インポという言葉は、侮蔑的な意味が含まれてしまったため、差別用語とみなされ使用されなくなったのです。
差別用語は社会の変化を示している
差別用語とは、他人の人格を個人的、集団的に傷つけ、蔑み、社会的に排除し、侮蔑、抹殺する様な暴力性のある言葉のことです。
日本国内では、名誉毀損罪など法的な損害賠償責任が発生する可能性が高い言葉でもあり、公の場で使用すべきではない言葉の総称ともされています。
インポという言葉は、一般的によく知られていたにも関わらず、侮蔑的な意味が含まれてしまったため、差別用語となりました。
つまり、差別用語は時代の中で常に変化するものなのです。
昔は問題にされなかった言葉でも、人々の差別意識の高まりとともに差別用語とされることがあります。
簡単に言えば、「人々を不愉快にする意味合いが含まれている」と広く知られるようになると差別用語と認識されるようになります。
誰かを不愉快にしない言葉を使おう、という機運が高まると様々な社会組織の合意を得て、その言葉を使わないようになるからです。
「差別用語と認定すること」は「これまでの差別意識を改めること」でもあるのです。
ちなみに、医学業界には「インポ ⇨ ED」以外にも改善された言葉が数多くあります。
「精神分裂症 ⇨ 統合失調症」や「痴呆症 ⇨ 認知症」などがその代表例です。
最近では、日本糖尿病協会が「糖尿病」の名称変更を提案したことが話題になっています。
「病態を正確に表していない病名である」「不適切な用語の使用による負のイメージが差別や偏見を助長し、不利益を被っている」などと感じる患者がいるというのが理由だそうです。
他にも、糖尿病の名称変更に賛同する意見として「排せつ物の名前が入っている」「怠惰、自己責任、不摂生、ぜいたく病といった悪いイメージがある」などが挙げられているそうです。
当たり前だと思っていた病名が差別用語に変わることはよくあることなのです。
まとめ~病名の変更は苦しみを与えない取り組み~
中には「昔の言葉のほうが情緒があった!」「差別用語認定は言葉狩りだ!」「用語だけ変えても差別はなくならない!」などといった意見もあります。
そのような主張にも一理あるかもしれません。
しかし、そのような反対意見も含めて、言葉と差別について考え、差別がなくなるように努力していくことは、社会の重要な機能と言えます。
特に、病名に差別的な要素が含まれてしまうと、患者は疾患自体の苦しみに加えて、差別されることの苦しみを抱えることになります。
もし、「インポ」や「インポテンツ」という言葉を日常的に使用している方がいるなら、より差別性が少ない「ED」という言葉を使用するようにしてはいかがでしょうか。
ダイバーシティ(多様性)の世界が叫ばれる昨今、差別のない世界も大切にしていきましょう。
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