陰茎は、男性のシンボルであり、男性らしさの象徴です。
そのため、包茎であることに悩みを持つ男性は少なくないはずです。
しかし、包茎には、気にしなくても問題ない種類のものがあります。
その場合、放置しても悪化したり、性行為に問題が生じることはありません。
一方で、治療したほうが良い種類の包茎もあります。
治療せず放置すると、様々なデメリットに悩まされることがあります。
今回は、包茎の種類や症状、治療方法などについて解説します。
- 1.そもそも「包茎」とは
- 2.包茎の種類
- 3.包茎の原因
- 4.包茎の問題点
- 5.包茎の治療方法
- 6.まとめ~気になるなら手術を~
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そもそも「包茎」とは
包茎とは、陰茎の包皮が余り、亀頭(陰茎の先)まで覆われている状態のことです。
包皮の面積が多いと、陰茎や亀頭が大きく勃起しても、亀頭全体を覆い続けることができてしまいます。
生まれてきたばかりの赤ちゃん~2歳くらいまでの男の子の陰茎は、包茎の状態が正常です。
この時点では、原則的に治療の必要はありません。
通常、男性生殖器が急激に成長する思春期頃までには、包皮はスムーズに下げられる状態になります。
しかし、この時期に包皮を完全に剥いて下げることが出来ない場合は、包茎と判断されるでしょう。
日本国内では、日本人男性の約7割~8割は包茎だと言われています。
包茎は、皮膚科や泌尿器科で受診し、治療することが可能です。
包茎の種類
包茎には、包皮の剥け具合や状態などによって以下の様な種類があります。
包茎の種類
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真性包茎
真性包茎とは、通常時も勃起時も、包皮を剥いて亀頭を全く露出させることができない状態の包茎のことです。
包皮口が狭く、亀頭と包皮の間には生理的な癒着があるので、包皮を剝いて亀頭を露出させることができません。
人によっては、無理に包皮を剥こうとすれば、亀頭の一部を露出させることができる場合はあります。
陰茎の成長が阻害され、全体的にが先細りした形の陰茎になってしまう方もいます。
真性包茎は、包茎の中でも重症な部類に属する状態です。
亀頭を覆う包皮内が不衛生な状態になりやすく、様々な性病や感染症を引き起こすリスクがあります。
性行為に痛みが伴い、困難であったり、性生活に支障をきたすことも珍しくありません。
また、異性との交際や性行為の際にコンプレックスを抱えやすいなどのデメリットがあります。
真性包茎の方は、早期に治療したほうが良いでしょう。
ただし、治療には外科手術による根本的な治療が必要になります。
仮性包茎
仮性包茎とは、通常時は亀頭が包皮で覆われているものの、通常時も勃起時も亀頭が露出できる状態の包茎のことです。
通常時に亀頭が若干露出している場合と完全に包皮で覆われている場合があります。
見た目が真性包茎でも、包皮を根元のほうに引っ張り、亀頭が露出するように剥ければ、仮性包茎に該当します。
しかし、個人差によって、勃起すると亀頭が自然と露出する軽度の仮性包茎の方や勃起してもあまり亀頭が露出しない重度の仮性包茎の方など様々です。
性行為や自慰行為(マスターベーション)を正常にできますが、普段露出していない亀頭は刺激に弱いため、早漏になりがちです。
仮性包茎は、医学的には疾患ではないため、必ずしも外科手術などの治療が必要というわけではありません。
また、「仮性包茎が真性包茎になる」といったこともないので、仮性包茎のまま放置していても問題はありません。
ただし、恥垢が包皮内に溜まって悪臭の原因になったり、見た目が気になる方は、治療を検討しても良いでしょう。
カントン包茎(嵌頓包茎)
カントン包茎(嵌頓包茎)とは、包皮を剥いて亀頭を露出させることができるものの、包皮口が狭いため、陰茎を締め付けて元に戻せなくなる状態の包茎のことです。
勃起時の陰茎や亀頭の大きさに包皮口の伸縮性が伴わないため、強く締め付る原因になります。
人によっては、包皮を剥いた際に包皮口の締め付けが強すぎて、激しい痛みを伴い、亀頭が圧迫され鬱血してしまうことがあります。
勃起によって包皮が元に戻らず、鬱血状態が続くと、その先の細胞が壊死してしまうこともあります。
ここまで悪化するまで放置する方はほとんどいないと思いますが、男性機能を失うことになりかねないので、注意が必要です。
カントン包茎では、性行為やマスターベーションが困難になります。
そして、痛みのために「性行為をしたくない」と思うようにもなってしまいます。
カントン包茎の方は、真性包茎よりも危険度が高いため、早期に治療したほうが良いでしょう。
治療には外科手術による根本的な治療が必要になります。
包皮輪狭窄型包茎
包皮輪狭窄型(ほうひりんきょうさくがた)包茎とは、仮性包茎の一種で、包皮を剥いて亀頭を露出させた際に、亀頭の下が包皮によって締め付けられて、痛みや違和感が生じる状態の包茎のことです。
カントン包茎(嵌頓包茎)と似ていますが、厳密には異なる包茎なので、覚えておきましょう。
潜在的仮性包茎
潜在的仮性包茎とは、症状的には仮性包茎と同じですが、包皮を根元のほうに引っ張り剥いた時に「包皮のだぶつき」や「絞約輪(こうやくりん)」という紐で縛った跡のようなくびれが見受けられる状態の包茎のことです。
紐で縛った跡のようなくびれ部分の負担がかかるため、皮膚が傷つきやすくなったり、切れやすくなります。
20代~30代などの若年層では、このような症状はあまり出ませんが、年齢を重ねるにつれて、皮膚の質や代謝が低下するため、症状が現れやすくなります。
症状が悪化すると痛みが強くなり、性行為や自慰行為が困難となり、シャワーを浴びる際も痛みを伴うことがあります。
潜在的仮性包茎は、外科手術以外に根本的な治療方法はありません。
肥満型包茎
肥満型包茎とは、肥満が原因で、下腹部などに過剰に脂肪がついて、その脂肪の厚みの分だけ皮膚が伸び、陰茎が埋まった状態になる包茎のことです。
肥満型包茎は、見た目だけでなく、性行為などの機能的な面で悪影響を与える場合がほとんどです。
極端な肥満の方は、陰茎が全く見えないほど重度の包茎となることもあります。
肥満型包茎は、ダイエットによって下腹部の脂肪を落とすことで改善できます。
埋没陰茎包茎
埋没陰茎包茎とは、先天的な疾患などが原因で、陰径が皮下に埋没した状態の包茎のことです。
陰茎の大きさは正常ですが、皮下に埋没しているため、小さく見えます。
症状的には、真性包茎に近い状態です。
埋没陰茎包茎の治療には、外科手術をして体内に埋もれてしまっている陰茎を外に引っ張り出す必要があります。
ちなみに、埋没陰茎包茎は、通常時と勃起時で陰茎の大きさに極端な差が生まれるのが特徴です。
一般的には、通常時と勃起時で大きさの変化は2倍に満たないといわれていますが、「埋没陰茎包茎」が疑われるの方の場合は2倍以上の変化があります。
老人性包茎
老人性包茎とは、元々包茎ではなかった方が加齢によって出てきた下腹部の皮膚が原因で、陰茎に包皮が被ってしまう状態の包茎のことです。
また、加齢によって包皮が緩んできたり、陰茎海綿体の細胞が衰え委縮してしまうことで、包茎になりやすくなります。
男性が必ず発症する包茎ではありませんが、40代以降の方に症状が現れ、50代~60代で発症する方が多くなる傾向があります。
男性は、加齢とともに包茎になる可能性があるということを覚えておきましょう。
包茎の原因
包茎の原因は、「先天的要因」と「後天的要因」に分けられます。
包皮口が狭くなる原因はほとんど生まれつきのものですが、亀頭包皮炎などを繰り返すことによって後天的に包茎になることもあります。
個人差によりますが、思春期頃に包皮が陰茎の根元へ後退するようになり、勃起時には亀頭が自然に露出するようにななります。
しかし、何らかの原因で大人になっても勃起時に包皮が亀頭を覆ったままの状態で維持されると包茎となることもあります。
また、前述したように加齢によって包茎になる方もいます。
包茎の問題点
包茎の種類によっては、放置していると日常生活や性生活を送る上で様々なリスクやデメリットがあります。
包茎であると起こりうる、具体的なリスクやデメリットについて解説します。
包茎の問題点
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排尿に支障が出る可能性がある
重度の真性包茎の場合、包皮口が極端に狭いと排尿時に包皮内に尿が溜まり、先端が風船状に膨らんだり、尿が飛び散ったりしてしまうことがあります。
包皮内に残尿として溜まりやすくなるので、陰茎の先端が赤く腫れて痛みを伴う亀頭包皮炎や尿路感染症になるリスクも高まります。
また、うまく排尿されないと、恥垢として亀頭と包皮の間に溜まり、次に解説する悪臭の原因にもなります。
悪臭の原因になる可能性がある
亀頭と包皮の隙間に恥垢(いわゆる、「チンカス」)が溜まることで、悪臭を放つ原因になります。
恥垢とは、尿や精液、皮脂などの分泌物が混ざって固形化したものです。
亀頭に包皮が被った状態が長時間続くと、密着部分では熱がこもり、湿度が高まり雑菌が繁殖して、悪臭を放つようになります。
仮性包茎の場合は、包皮を剥くことができるので、定期的に洗浄することで清潔に保つことができます。
しかし、真性包茎の場合は、生理的な癒着などによって包皮を剥き、亀頭を露出させることが困難な場合が多いため、不衛生になりがちです。
カントン包茎も完全に亀頭を露出させることが難しいため、同様のことが起こります。
恥垢を溜めたままにしておくとパートナーとの性行為の際に、悪臭でせっかく盛り上がった雰囲気が壊れ、交際関係性が破綻する可能性もあります。
そもそも、不潔な陰茎だとパートナーは膣内に受け入れてくれないでしょう。
また、包茎にありがちな見た目のコンプレックスとともに悪臭が後ろめたさとなり、女性に対してのアプローチが消極的になってしまいます。
性行為に支障が出る可能性がある
包茎は、性行為の際に支障が出る可能性があります。
そもそも、真性包茎やカントン包茎の場合は、その性質上、女性器へ挿入が困難な場合があります。
性行為自体ができない可能性があるのです。
仮性包茎の場合は、常に包皮が被った状態なので、亀頭が敏感になり、早漏になりやすい傾向があります。
早漏は、挿入時間が短いので、パートナーを満足させられず、性生活の質を著しく下げる要因になるでしょう。
また、仮性包茎だからこそ、性行為中に包皮が陰毛を巻き込み、陰毛が亀頭を傷つけることも考えられます。
陰毛は糸のようなものなので、包皮が陰毛を巻き込んでテンションがかかれば、ピンと張った陰毛が亀頭を傷つける可能性がゼロではありません。
その他、性行為の際にパートナーに陰茎を見られることを恥じてしまうこともあります。
悪臭の件と同様に、女性に対してのアプローチが消極的になってしまうこともあるでしょう。
性病(性感染症)のリスクが高くなる
包茎は、亀頭や包皮の間に恥垢が溜まり、不衛生な状態となりやすいため、雑菌が繁殖しやすく、性病(性感染症)のリスクが高くなります。
特に、真性包茎やカントン包茎の場合は、常に包皮で覆われた状態になるため、性病にかかりやすく、悪化しやすい環境になっています。
クラミジアや淋菌、ヘルペス、カンジダなどの細菌や真菌、ウイルスに感染することで発症する「亀頭包皮炎」や「尖圭コンジローマ」という性病にかかりやすく、重症化しやすい傾向があります。
包茎による性病を予防するためには、亀頭や包皮を常に清潔に保ち、蒸れて湿度が高くならないように乾いた環境を整えることが大切です。
包茎の治療方法
包茎を治療する方法は、主に「包皮翻転(ほんてん)指導」か「外科手術」の2種類です。
包皮翻転(ほんてん)指導
包皮翻転(ほんてん)指導とは、包皮を陰茎の根元の方へ手でずり下げて、亀頭を露出させる治療方法です。
ステロイド軟膏などを用いて、包皮翻転訓練を行うことにより、包皮が伸展し、包茎を改善させることができます。
一般的には、思春期前の小児に対して行われることが多い治療方法です。
医師の指導なく、無理に包皮翻転を行うと包皮に亀裂や出血が起こり、後に包皮が硬くなることがあります。
痛みを伴い、包皮を剥いたままにしないで元に戻さなくてはならないので、専門の医師による十分な指導を受ける必要があります。
外科手術
外科手術による治療では、包皮を環状に切除して、亀頭を露出させる「環状切開術」や包皮を縦に切開するだけの「背面切開術」が一般的です。
真性包茎や仮性包茎、カントン包茎など包茎の種類に限らず、いずれかの外科手術を行います。
真性包茎やカントン包茎の方が外科手術を受ける場合は、性行為に支障が出るので、健康保険などの公的医療保険が適用されます。
しかし、仮性包茎の方が外科手術を受ける場合は、健康保険などの公的医療保険は適用されません。
保険が適用されないので、治療費は患者自身が全額負担することになります。
ただし、仮性包茎でも真性包茎やカントン包茎に症状が近く、性行為が困難な場合は、保険が適用されることがあります。
まとめ~気になるなら手術を~
仮性包茎の方なら、治療するかどうかを考える時間は十分にあると思います。
放置してもよいですし、気になるなら手術を受けてもよいでしょう。
しかし、真性包茎やカントン包茎については、性行為に支障をきたす可能性があるため、手術をしたほうがよいレベルと考えて良いでしょう。
どうしようか悩んでいる方も、とりあえず病院やクリニックなどの医療機関へ相談くらいはしに行ったほうが良いでしょう。
医師のアドバイスを受けることによって、新たな知識を身につけることができ、解決に向かって一歩前進できるはずです。
スタッフより
クリニックコラムをお読みいただきありがとうございます!
いかがでしたでしょうか、参考にはなったでしょうか?
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