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マイクロペニス(小陰茎症)とは?サイズの基準や治療方法を解説【医師監修】

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マイクロペニス(小陰茎症)とは?サイズの基準や治療方法を解説【医師監修】

マイクロペニス(小陰茎症)という男性特有の疾患をご存知でしょうか?

この記事では、マイクロペニスの症状や基準、原因、治療方法などについて解説します。

※当クリニックでは、「マイクロペニス(小陰茎症)」に関する治療を行っていません

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マイクロペニス(小陰茎症)とは

マイクロペニス

マイクロペニス(小陰茎症)とは、長さが極端に短いペニスのことです。

遺伝子異常(クラインフェルター症候群)やホルモンバランスなどの影響で引き起こされる疾患とされています。

マイクロペニスの基準

基準

成人の場合、勃起時の長さが7cm以下だとマイクロペニスと診断されます。

個人差によっては、成人で勃起しても3cm程度のこともありますし、外見上陰茎を確認できないこともあります。
日本人の勃起時の陰茎の長さは、統計学的な平均値としては約13cmと言われているので、7cm以下は極端に短いと言えます。

先天的に発症する疾患~親は赤ちゃんの頃からチェックを~

先天的に発症する疾患

マイクロペニスは先天的な疾患です。
持って生まれた症状なので、生活の乱れや何らかの疾患が原因で後天的に発症するわけではありません。

マイクロペニスの方は、赤ちゃんの頃から陰茎が短い状態にあります。
そのため、親は赤ちゃんの頃、遅くとも乳幼児の頃から、陰茎をチェックしてあげる必要があります。

子供の頃のマイクロペニスの基準は以下の通りです。

子供のマイクロペニスの基準

  • 新生児や乳幼児:2cm~2.5cm以下
  • 1歳~5歳:2.5cm~3cm以下
  • 6歳~10歳以下(思春期前):3cm~3.5cm以下

※非勃起時の伸展した陰茎の長さ

小さい子供は、まだ勃起しないので、陰茎を優しく引っ張り、その長さが上記の通りだとマイクロペニスが疑われます。

マイクロペニスの原因

マイクロペニスの原因

マイクロペニスの発症は、ほとんどの場合、出生前に男性ホルモンの一種、「アンドロゲン」の産生や作用が低下するため、引き起こされると考えられています。

陰茎は、体の発育に伴い、男性ホルモンの作用によって大きくなるとされています。
なので、思春期前までに男性ホルモンの分泌が少なかったり、作用が低下してしまうと、陰茎が十分に成長できず、小さいまま(マイクロペニス)になってしまうことがあるのです。

出生前の母親のお腹の中にいる時に、母親の食べ物や生活習慣によって、赤ちゃんの男性ホルモンの作用に影響を及ぼすこともあります。

また、以下の原因によって男性ホルモンが欠乏したり、作用が低下するとされています。

マイクロペニスの原因

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クラインフェルター症候群

クラインフェルター症候群(klinefelter Syndrome:KS)とは、男性の性染色体のX染色体が通常より1つ以上多いことによって生じる先天性疾患の総称です。
ただし、発症に至るメカニズムについては、はっきりと解明されていません。
日本国内では、クラインフェルター症候群の患者数は男性だけで約62,000人いるとされています。

主な疾患として、男性性腺機能低下症が挙げられます。
他にもマイクロペニス以外では、精巣萎縮や無精子症、四肢細長(手足が細くなる)、思春期来発遅延、女性化乳房などの症状が引き起こされます。

厚生労働省が指定する難病ではありませんが、それに準ずる病気であると考えられています。
「難病に近い、治療が難しい病気」と理解してよいでしょう。

ちなみに難病とは、原因不明のため治療が難しく慢性化したり後遺症が残ったりする病気で、症状によって生活に困難が生じる病気のことです。
厚生労働省が指定する難病は、指定難病と呼ばれます。

精巣形成不全症候群

精巣形成不全症候群(Testicular Dysgenesis Syndrome:TDS)とは、精巣の機能が悪化し、精巣の発育異常によって生殖器として機能しない状態になる疾患です。
精巣形成不全も遺伝子変異によって先天的に発症します。
日本国内において、精巣形成不全の有病率は、約70,000人~85,000人に1人と推定されています。

主な症状として、男性ホルモン分泌に異常が見られたり、精巣や精子の機能に異常が見られます。
他にもマイクロペニス以外では、精巣萎縮や無精子症、停留精巣、小精巣、乏精子症、陰茎の発育不良、尿道下裂などの症状が引き起こされます。

また、マイクロペニスが精巣形成不全症候群によって起きている場合、精巣ががん化する可能性があります。
がん化の兆候が現れた際には、精巣を摘出する手術が薦められるでしょう。

そのほか、精巣形成不全症候群が重症化すると、外見上男性器を確認できず、法律的に性別を区別できなくなることもあります。
国立研究開発法人国立成育医療研究センター内にある小児慢性特定疾病情報センターによると、重度の精巣形成不全症候群の場合は、女性として養育するほうが良いとされており、女性として生きることもあります。

親にも本人にも難しい選択が迫られますが、女性として生きることに同意すれば、精巣を摘出したのち、形成手術によって膣や陰唇などをつくり、女性ホルモンや黄体ホルモンを投与するホルモン療法が行われます。

ライディッヒ細胞形成不全

ライディッヒ細胞形成不全(Leydig Cell Hypoplasia:LCH)とは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」を産生する精巣内のライディッヒ細胞に異常が生じたり、先天的に欠失している疾患です。
陰茎が部分的にしか成長しなかったり、陰茎がまったく形成されず性別不明の性器になることもあります。

テストステロン欠乏症候群(男性性腺機能低下症)

テストステロン欠乏症候群(Testosterone Deficiency Syndrome:TDS)とは、男性性腺機能低下症によりテストステロンの産生が阻害されることで引き起こされる疾患の総称です。

男性ホルモンの一種である「テストステロン」は、骨格や筋肉の発達に貢献して、いわゆる「男らしい体」をつくります。
また、陰茎の発育や生殖器としての機能の確保にも欠かせません。

出生前の赤ちゃんのテストステロンが欠乏すると、陰茎の未発達に繋がる可能性があります。
また、妊娠後期にテストステロンの欠乏が起きると、陰茎や精巣などが異常に小さくなることがあります。

つまり、テストステロンの欠乏によってマイクロペニスになる可能性があるということです。

ジヒドロテストステロンの欠乏(5α-還元酵素欠損症)

ジヒドロテストステロンの欠乏(5α-還元酵素欠損症)とは、5α-還元酵素が存在しないため、テストステロンより強力な男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン(DHT)」が産生されないことにより生じる疾患の総称です。

マイクロペニスを引き起こすだけでなく、仮性両性具有や尿道下裂などの症状が見られることもあります。

アンドロゲン不応症

アンドロゲン不応症(Androgen Insensitivity Syndrome:AIS)とは、遺伝子の変異によってX染色体に異常が起き、アンドロゲン受容体の異常によって引き起こされる疾患の総称です。
テストステロンが作用せず、男性はマイクロペニスなどの症状を起こし、女性の場合だと子宮や卵管が作られないことがあります。

ゴナドトロピン単独欠損症

ゴナドトロピン単独欠損症(Isolated Gonadotropin Deficiency:IGD)とは、ゴナドトロピンというホルモンに異常が起きる疾患で、厚生労働省によって難病指定されています。
ゴナドトロピンは、生殖腺刺激ホルモンとも言い、精巣や卵巣に作用したり、性器の発育や活動を調節する働きを持っています。

ゴナドトロピンの欠乏によってもマイクロペニスは引き起こされる可能性があります。

主なマイクロペニスの治療方法

マイクロペニスの治療方法

マイクロペニスの治療には、主に「男性ホルモン補充療法」や「形成手術」などがあります。

主なマイクロペニスの治療方法

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男性ホルモン補充療法

注射

男性ホルモン補充療法とは、ホルモン療法の一つで、男性ホルモンのテストステロンを投与する治療方法です。

子供が乳児期にマイクロペニスと診断されると、男性ホルモン補充療法を行うことになります。
テストステロン投与は、クラインフェルター症候群や精巣形成不全などの先天的な遺伝子疾患によるマイクロペニスの方に行なわれるのがほとんどです。
年少児ほど男性ホルモン補充療法による治療反応は良いとされています。

ただし、男性ホルモン補充療法によって陰茎が平均サイズになるとは限りません。

また、陰茎の成長は思春期の終わり頃に完了するため、思春期後の成人済みの男性にテストステロンを過剰に投与しても、陰茎の成長はほとんど見られません。
そのため、テストステロンによるホルモン療法は、性機能が未発達の思春期前までに行われるのが一般的とされています。

テストステロンの製剤には、外用薬(貼り薬や塗り薬など)や経口内服薬、注射薬などの種類があり、症状に合わせて全身投与や局所投与が決まります。

形成手術

手術

形成手術とは、外科手術で陰茎の一部をつくる治療方法のことです。
陰茎を平均サイズに近づけるには、形成手術が必要になります。

マイクロペニスの方向けの形成手術には、陰茎を長くする「長茎手術」や、陰茎を太くする「陰茎増大術」などがあります。
個人差によりますが、長茎手術では陰茎の長さを約3cm~8cm伸ばすことができます。

女性との性行為に自信を持ちたい方は、サイズの変化が見た目で分かる形成手術を受けることをおすすめします。

マイクロペニスのデメリット~積極的に治療したほうが良い理由~

マイクロペニスのデメリット

マイクロペニスは、考え方によっては、ペニスが短い「だけ」の病気です。
排尿や勃起、射精もでき、普通の生活を送る分には何の不自由もありません。

とは言え、マイクロペニスは病気であり、病気には必ずデメリットがあります。

マイクロペニスの最大のデメリットは、精神的な苦しさかもしれません。
「普通よりかなり小さいペニス」は男性にとって自信や尊厳に関わる一大事です。

自分の陰茎に自信が持てないということは、男性としての自信が持てなくなるということです。
女性との性行為にも自信が持てず、積極的になれなくなる可能性があります。

女性との性行為を果たしたとしても「満足させられなかったのではないか?」「バカにされたのではないか?」と不安を抱えてしまう方が多くいます。

他にも、以下の理由からマイクロペニスは積極的に治療したほうが良いと言えます。

マイクロペニスのデメリット

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男性不妊の原因になる

頭を抱える男性

マイクロペニスは、男性不妊の原因になることがあります。
性行為が上手くいきにくいため、膣内の奥まで陰茎が届かなかったり、精子の量が少ない傾向もあり、妊孕性(妊娠しやすさ)が低くなります。

また、マイクロペニスの方は、真性包茎や仮性包茎であることも多く、包皮が剥けていない状態で射精すると精子が包皮に引っかかり、膣内に流れにくくなることがあります。
精子が子宮に届きにくくなれば、必然的に妊娠しづらくなります。

性生活の質が下がる

喧嘩

生活の質を表す「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」という言葉がありますが、性はQOLのなかでも重要な割合を占めています。

性生活を充実させるためには、自分だけが満足するのではなく、パートナーの女性も満足させることが重要です。
性行為は、子供を作るためだけのものではなく、一緒に快楽を楽しみ愛情を確かめ合うコミュニケーションとしても行われます。

性行為の際は、長い陰茎を好む女性が多いとされています。
女性の快楽は、男性の肉体やテクニック、陰茎の長さなどによって大きく左右されます。

そのため、陰茎の短いマイクロペニスは、女性を満足させづらい原因となりえます。

不衛生になりやすい

不衛生

マイクロペニスは、陰茎が小さい分、包皮が余って真性包茎や仮性包茎になりやすい特徴を持っています。
包茎は、亀頭と包皮の間に恥垢がたまりやすく、不衛生な状態を招いたり、性感染症(性器ヘルペスや尖形コンジローマなど)のリスクが高まる原因になります。

自分の手で亀頭を露出させる事ができる仮性包茎であれば、入浴時に恥垢などの汚れを洗い流す事ができます。
しかし、重度の仮性包茎や亀頭を露出させる事が難しい真性包茎の場合、汚れを落としきれず、悪臭の原因にもなります。

悪臭が伴うと、性行為時に女性に嫌がられるでしょう。

まとめ~気になる場合は、医療機関に相談を~

マイクロペニスの方でも、下着つけて服を着れば、通常のサイズの方となんら変わりありません。
パートナーとの性行為や大衆浴場などで裸になるなどのシーンを除けば、マイクロペニスの方は「普通」に生活することができます。

そのため、「命に関わる病気よりはまし」と思われてしまうことがあります。
確かに、命に関わる病気を持病として抱えているよりはましです。
しかし、それは病気を客観的にみたときの考え方であり、本人の主観的にとらえた場合は、決して「まし」などとは感じないでしょう。

マイクロペニスであることで、強い精神的ストレスを毎日受けている方もいるはずです。

マイクロペニスの治療には「ペニスに関する病気は相談しにくい」という壁がありますが、マイクロペニスは難病なので、治療にはどうしても医療の力が必要です。
この難病を治療できる医療機関や医師は限られています。

マイクロペニスが疑われる場合やマイクロペニスで悩んでいる場合は、まずは、信頼できる医療機関や医師を探すことから始めましょう。

また、自分が親で、赤ちゃんの陰茎が異様に小さいと感じている場合は、小児科や泌尿器科のある医療機関に相談してみてください。
小児泌尿器科という診療科があれば、そこがベストでしょう。

乳幼児の頃から治療を開始しても、目にみえる形でペニスが大きくなることはないでしょう。
しかし、早期にホルモン療法を始めれば、マイクロペニスの問題を緩和できるかもしれません。

マイクロペニスを抱えて生きることになる息子への接し方を専門の医師から教わることもできます。
マイクロペニスの方が、思春期前後で精神的に苦しむことはほぼ確実なので、そのとき親としては精神的なケアをしてあげたいものです。

そして、子供が成人になって自己判断できるようになったら、形成手術も視野に入ります。
形成手術なら物理的に陰茎の増大が期待できるので、悩みが軽くなるはずです。

※当クリニックでは、「マイクロペニス(小陰茎症)」に関する治療を行っていません

スタッフより

スタッフ

クリニックコラムをお読みいただきありがとうございます!
いかがでしたでしょうか、参考にはなったでしょうか?

いま、なんらかの症状でお悩みのそこのあなた!
一人で悩まず、まずはご相談ください。

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