バイアグラの効果効能について
監修:新橋ファーストクリニック 院長 市村 明

バイアグラはED(勃起不全・勃起障害)の治療に効果のある薬です。
このバイアグラの有効成分であるシルデナフィルはPDE5の働きを妨げる作用を持つ「PDE5阻害薬」です。
効果・効能・作用機序
まず勃起のメカニズムについてご説明します。
勃起は性的刺激を受けることで、脳の中枢神経がそれを感知し、脳から脊髄神経を通って陰茎(ペニス)にサイクリックGMP(cGMP)という伝達物質が分泌さます。
このcGMPがペニスの筋肉(平滑筋)を緩ませ、海綿体に多く血液が流入することで、男性器は勃起します。
そして脳から性的刺激がなくなり勃起する必要がなくなるとcGMPを取り除くための「5型ホスホジエステラーゼ(PDE5)」と呼ばれる酵素がcGMPを分解して勃起を終わらせます。
つまり、平滑筋を緩ませる役割を持つ「cGMP」と、cGMPを分解する「PDE5」のバランスによって勃起したり、勃起をしずめたりするわけです。
このPDE5によってcGMPが分解されるのを阻害して、勃起を持続させる作用を持つのが「PDE5阻害薬」です。
勃起のメカニズム
- 脳が性的刺激を感知する
- 脳からの指令で、陰茎にサイクリックGMPが分泌される
- cGMPがペニスの筋肉(平滑筋)を緩ませる
- 海綿体に血液が流入し男性器が勃起する
バイアグラの作用時間
バイアグラの効果作用時間は、服用後40分~1時間でバイアグラの成分が体内に吸収され、その後5時間程度効果が持続します。
バイアグラを服用しただけでは勃起しない
よく患者様の中で、「バイアグラを服用しただけで勃起する」という誤った認識をされている方がいらっしゃいます。
バイアグラは精力剤や媚薬のような性的興奮作用や性欲増進作用のある薬ではないため、飲んだだけでは効果はありません。
性的な興奮を脳が感じ陰茎に指示を出すことで男性機は勃起しますので、バイアグラを使用後、性的刺激がなければ勃起はしません。
また、「バイアグラを使用したらずっと勃起したままになる。」ということもありませんのでご安心ください。
バイアグラで効果が得られない場合

バイアグラは基本的に耐性が生じて効果が減弱することはありません。
また、バイアグラの服用後、満足な効果を得られなかったなど効果がなかったと答えた人の約8割の方が、食事の直後にバイアグラを服用していることが多いという傾向がありました。
食後にバイアグラを服用する場合、食後2~3時間ほど時間を空けてから服用したとしても脂質の多い食べ物だとバイアグラの成分の吸収を妨げる恐れがありますので、食後に服用する場合には、なるべくあっさりとした食事にするなど工夫が必要です。
その他、バイアグラは性欲の増加がない状態では十分に効果を発揮いたしません。
「仕事が忙しく極度の疲労やストレスが溜まっている場合」など、原因は様々あるためバイアグラを服用して十分な効果が得られなかったという方は一度ご相談ください。
また、バイアグラでは効果がなくてもレビトラやシアリスであれば効果がある方もいらっしゃいますので、バイアグラで効果がなかったという方は、こちらを試してみるのもよいでしょう。
バイアグラの女性への効果

バイアグラを女性が服用した場合の効果については、陰茎の無い女性には効果がないとされています。
しかし、一部の意見では血流がよくなることにより女性器周辺の神経が敏感になることで、性的感度が上がるのではないかとも言われています。
この見解については、医学的な裏付けがなく憶測でしかなく、ファイザー社も「バイアグラにそのような効果があるかはハッキリしていない」としています。
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